三次元空間でのローレンツ力のシミュレーションをブラウザ上で行い、円運動や螺旋運動が観察できるサイトツールです。初速や発射角度を調整できます。
上の埋め込み内でも使えますが、うまく動かない・大きなページで使いたいというときは、元の3次元でのローレンツ力シミュレーションページへ(新しいタブで開きます)。
ローレンツ力とは?
ローレンツ力とは、荷電粒子が磁場内を移動するときに受ける力です。
この力は次の式で表されます: F=q⋅(v×B)
- F:ローレンツ力(ベクトル)
- q:粒子の電荷
- v:粒子の速度ベクトル
- B:磁場ベクトル
- ×:ベクトルの外積
この力の特徴は以下の通りです:
- 速度と磁場の両方に垂直な方向に働く
- その結果、粒子の速さは変わらず、進行方向が変化する
2次元では円運動
もし粒子が磁場に垂直な方向にのみ初速度を持っている場合、ローレンツ力によって等速円運動になります。
これは、高校物理などでよく扱われる基本パターンです。
3次元ではらせん運動になる
もし粒子が磁場と平行な成分の速度も持っていれば、どうなるでしょうか?
その場合、磁場に沿った成分は変化せずに保たれますが、垂直成分は回転し続けるため、結果としてらせん運動になります。
このシミュレーションではその様子を3Dで確認できます。
ツールの使い方
このローレンツ力シミュレーションでは、次のようなUIが用意されています。
① 発射角度スライダー
- 0°〜90°までの角度を設定できます。
- 0°:磁場と垂直(XZ平面内での運動)→ 円運動
- 90°:磁場と平行 → 直進運動
- 中間角度:らせん運動
② 初速度スライダー
- 粒子の発射速度を調整します(0〜6)。
③ 発射ボタン
- 設定された角度・速度で粒子を初期位置から発射します。
④ リセットボタン
- 粒子と軌跡をリセットして、再度設定し直せます。
⑤ 表示内容
- 粒子の現在位置(赤い球体)
- 軌跡(赤い線)
- 空間軸(X=赤、Y=緑、Z=青)
- 磁場の方向(四隅に表示された下向きの青い矢印)
⑥ カメラ操作
- マウスでドラッグすると3D空間を自由に回転・観察できます(
orbitControl
)
まとめ
- ローレンツ力は「磁場 × 速度」で決まり、粒子の進行方向を曲げるが速さは変えない
- 磁場と垂直な運動では 円運動
- 磁場と平行な速度成分があると らせん運動
- 角度・速度を調整してさまざまな軌道を観察できる
- 3D空間で視覚的に理解できるように設計されている
このシミュレーションでは、ローレンツ力がどのように荷電粒子の軌道に影響するのかを、視覚的にわかりやすく確認できます。
特に、「回転運動」と「らせん運動」の違いが明確に見える点がポイントです。