「もしも、ビートルズが解散していなかったら?」
そんな“あり得たかもしれない未来”を感じさせる謎の音源――
それが、ネットの一部で伝説になっている「Everyday Chemistry(エブリデイ・ケミストリー)」というアルバムです。
この音源、ファンの間では「ビートルズがパラレルワールドで作った幻のテープ」なんて言われているのですが…
今回はこの“パラレルワールドのビートルズ”伝説を徹底的に掘り下げながら、
その正体がいかにして明らかになったかを一緒に追っていきましょう!
🌀なにそれ?ビートルズの“パラレルワールド”伝説とは
物語の主人公は、イギリス人の「ジェームズ・リチャーズ(James Richards)」なる人物。
彼の語るストーリーは以下のようなもの。
🚪ある日、ウサギの穴に落ちたら…
リチャーズはある日、カリフォルニアを旅行中に犬の散歩をしていたところ、犬が見つけたウサギを追いかけ始めてしまいます。
犬を連れも同相としてウサギの穴に近づいたら不運にも穴に落ちて、気を失った――
目が覚めた場所は、彼が知るこの世界とはちょっと違う“パラレルワールド”。
そこではなんと、ビートルズが1970年に解散せず、その後も活動を続けていた!
彼はその世界で、未発表のビートルズのカセットテープ「Everyday Chemistry」をこっそり手にし、
元の世界に戻ってきたと語ります。

その持ち替えられたカセットテープは一応現物も確認されています。
このため、一部では「パラレルワールドが実在する証拠」とも話題になりました。
💿幻のアルバム「Everyday Chemistry」
さて、ここからが伝説の核心。
ジェームズ・リチャードが持ち帰ったというこのカセットには、
以下のような“ビートルズらしき”楽曲が収録されています:
🎵 収録曲(抜粋)
- Four Guys
- Talking to Myself
- Anybody Else
- Sick to Death
- Jenn
- I’m Just Sitting Here
- Soldier Boy
- Over the Ocean
- Days Like These
- Saturday Night
- Mr. Gator’s Swamp Jamboree
なんとなくビートルズっぽいような、そうでもないような…
でも、耳の良いファンや音楽オタクたちはすぐに気づきました。
🧪正体は…やっぱり「リミックス」だった!
そう、このテープの正体は――
メンバーのソロ曲を切り貼りして作られたマッシュアップ(リミックス作品)なんです!
たとえば:
- ポールの「Band on the Run」
- ジョンの「Watching the Wheels」
- ジョージの「My Sweet Lord」
- リンゴの「Photograph」
…といったソロ時代の代表曲の一部がサンプリングされ、
巧妙に組み合わせられていることが判明しました。
🤔曲名からもわかる「パロディ感」
たとえば、曲名「Jenn」。
これはポールの代表曲「Jet」をもじったネーミングで、
曲の中身も明らかにJetのサウンドがベースになっているんです。
他にも「Four Guys」なんて曲名もかなり露骨ですよね。
これはメンバー4人のことを指しているのは明白で、
逆にリアルだったらこんなタイトル付けないだろ…と笑ってしまうほど。
🕳️実は“嘘”であることをにおわせる仕掛けも…
さらに興味深いのは、このストーリー自体が最初から“フィクション”として構成されていた可能性が高いということ。
以下のような「暗号めいたヒント」もあります:
🧩「ジェームズ・リチャーズ」という名前
→ ポール・マッカートニーの本名は“ジェームズ・ポール・マッカートニー”
→ リンゴ・スターの本名は“リチャード・スターキー”
→ この2人の名前を組み合わせて“ジェームズ・リチャーズ”
つまり、この登場人物自体がジョークの産物という可能性大。
🐇「ウサギの穴に落ちる」って…どこかで聞いたような?
そう、これは『不思議の国のアリス』の冒頭そのまんまの演出。
「ウサギの穴に落ちて別世界へ」→「帰ってきたら夢だったかも?」
この構成そのものが“夢オチ”であり、「これは現実ではない」という暗黙のメッセージに思えます。
🎛️とはいえ、リミックス作品としては超面白い!
…で、嘘かよ!ってガッカリしたあなた。ちょっと待って。
この「Everyday Chemistry」って、実はめちゃくちゃ面白いリミックス作品でもあるんです。
ソロ時代の名曲が、まるで新しいアルバムとして再構築されていて、
「もしもビートルズが再結成してたら、こんな音だったのかも…!」
という、あり得なかった未来を音で体験できるような感覚になるんです。
曲同士のつなぎも自然で、編集のセンスも抜群。
明らかにビートルズ愛がある人の仕業ですね。
ちなみに、ファンメイドのものとしては珍しく、英語版ウィキペディアには個別の記事もあります。
📣都市伝説マーケティングとしても秀逸!
この一連の話は、ネットで広まり、「幻のビートルズ作品か!?」と話題になりました。
でもその実態は、ファンによる非公式リミックスプロジェクト。
しかし、パラレルワールドだの、夢オチだの、名前の暗号だの…
あえてフィクションの香りを漂わせながら展開していくスタイルは、まさに“都市伝説式マーケティング”。
オフィシャルな宣伝よりも、こういう「謎の真相を探るワクワク感」の方が、
ファンを引き込む力は強いのかもしれませんね。
✅まとめ
最後に、今回の話を簡単にまとめておきましょう!
- 「Everyday Chemistry」は、ビートルズがパラレルワールドで出したアルバムという都市伝説。
- イギリス人「ジェームズ・リチャード」が“別世界”からカセットテープを持ち帰ったと主張。
- しかし、内容は各メンバーのソロ曲を組み合わせたリミックス作品。
- 曲名や音源から、パロディ・マッシュアップであることが明白。
- 「ウサギの穴」や「名前の暗号」など、最初から“嘘”であることをにおわせる構成。
- とはいえ、リミックスとしては非常にクオリティが高く、ビートルズ愛が感じられる秀逸なファン作品。
- “都市伝説風のマーケティング”としても、非常にユニークな事例。
「本物ではない」としても、音楽は自由に楽しんでいいもの。
この作品を通して、もう一度ビートルズやソロ作品を聴き直してみると、
新しい発見があるかもしれませんよ🎧✨
それではまた、次の“都市伝説×音楽”でお会いしましょう〜!