横ドップラー効果や光のドップラー効果のシミュレーションをウェブ上で実行し、光の色が変わる様子を観察できるサイトツールです。
上の埋め込み内でも使えますが、うまく動かない・大きなページで使いたいというときは、元の横ドップラー効果シミュレーションページへ(新しいタブで開きます)。
光のドップラー効果・横ドップラー効果とは?
音が近づいてくると「高く」聞こえ、遠ざかると「低く」聞こえる現象を聞いたことがあると思います。
これは「ドップラー効果」と呼ばれる現象です。
これは光にも起こります。
光源が観測者に対して相対的に運動していると、光の周波数(色)が変化して見えるのです。
このとき、
- 近づいてくると周波数が上がり(青方偏移)
- 遠ざかると周波数が下がる(赤方偏移)
という変化が生じます。
ただし、光の場合は相対性理論が関わってくるため、音の場合よりも計算が少し複雑です。
横ドップラー効果
では、光源が観測者の横を通り過ぎる場合はどうでしょうか?
つまり、「近づきもせず、遠ざかりもしない」ように見える場合です。
このときにも周波数が変化するのが、横ドップラー効果です。
直感的には「横に動いているだけなのに周波数が変わるの?」と思うかもしれませんが、
特殊相対性理論によると、横方向の運動でも、観測される光の周波数は変わります。
そのため、光源が真横を通過するときでも、見える色は元の色と変わって見えるのです。
シミュレーションツールの使い方
このページには、横ドップラー効果を視覚的に体験できるシミュレーションツールが組み込まれています。
画面の説明
- 白い背景の上に、左から右へ移動する「光源(カラフルな丸、停止時の色は青)」があります。
- 下の中央には「👁 観測者」が固定されています。
- 光源の色が変わることで、周波数の変化(ドップラー効果)を示しています。
操作方法
- スライダー(速度 v/c)を動かすと、光源の速度を変更できます。
v/c = 0
:静止している状態v/c = 0.99
:光速の99%で移動
- 「停止 / 再生」ボタンをクリックすると、アニメーションの一時停止・再開ができます。
- 下部には**「観測された周波数」**が数値で表示されます。
色の意味
- 青~紫:周波数が高い(青方偏移)
- 赤:周波数が低い(赤方偏移)
- 元の色(基準周波数)はちょうど中間の青色寄り
つまり、色の変化=ドップラー効果の見える化です。
真横に来ても色は変わったまま
このシミュレーションで特に注目してほしいのは、
光源が観測者の真横に来ても、色(周波数)は変化したままになっていることです。
普通のドップラー効果(音など)では、真横に来た瞬間は「周波数の変化がない」とされます。
ですが、光の場合は違います。
特殊相対性理論に基づく「横ドップラー効果」では、
真横でも周波数が変化し続けます。
これは、時間の遅れ(時間の進み方が遅くなる)と関係しており、
光源の「固有振動数」が観測者から見ると遅く見えることが原因です。
つまり:
- 横にしか動いていないのに、なぜか色が変わって見える。
- しかもそれは相対論によって予測され、実際に観測される。
という、直感と反する不思議な現象がここで体験できます。
まとめ
このシミュレーションを通じて、相対性理論における横ドップラー効果の面白さを体感できます。
ここで学べるポイントを整理しましょう。
✅ 本文の要約(まとめ)
- ドップラー効果は、音だけでなく光にも起こる。
- 光のドップラー効果では、相対性理論が重要な役割を持つ。
- 特に「横ドップラー効果」では、光源が真横を通っても色(周波数)が変化したままになる。
- この現象は、**時間の遅れ(ローレンツ収縮)**によって説明される。
- シミュレーションツールでは、速度を変えながらリアルタイムで色変化を観察できる。
- 観測者の前を通過しても、色は戻らないことから、音とは異なる振る舞いが明確に見える。
🧠 さらに深く学びたい方へ
- 「特殊相対性理論」や「ローレンツ変換」についての基本を学ぶと、より理解が深まります。
- 天文学では、遠くの星のスペクトルから「赤方偏移」を観測することで、宇宙の膨張を調べています。
- 光のドップラー効果は、実用的にも観測され、研究されています。