戦艦は昔から兵器の要である。その進化の過程で、少しでも優位性を保持しようとしたさまざまな工夫が凝らされた。そのなかでも妙な特徴を持つものを解説する。
第一次世界大戦の変わった戦艦
工夫を凝らした戦艦は第一次世界大戦から登場する。また、当時の海洋国家・覇権国家であったイギリスで進歩した。
Qシップ
通商破壊を仕掛けてくる潜水艦に対抗するために、イギリスで1916年に配備された。商船にこっそりと砲を隠しておき、潜水艦がおびき出されたら砲撃をして潜水艦を沈めるというものだった。
しかし、作戦がうまくいっても相打ちでQシップも沈没するという結果がおおく、61隻ものQシップが沈められてしまった。
ダズル迷彩艦
距離計測が目視だった時代、この距離計測をわかりにくくするために、迷彩の検討がさまざまな国でされた。
1917年にノーマン・ウィルキンソンによってイギリスの千巻に迷彩が施された。これが「ダズル迷彩」と呼ばれた。実際に潜望鏡で確認して迷彩を決めたといわれている。塗装パターンはいろいろ存在している。ダズルはdazzleと書き、光彩やまばゆい、幻惑や目をくらませる、などの意味がある。
結局は、レーダーなどの進歩により距離が測れるようになり、姿を消した。
第二次世界大戦の変わった戦艦
これもイギリス出身である。
氷山空母ハボクック
1940年ころに計画がされた。構想のみで終わったものである。イギリスの発明家ジェフリー・パイクが建造費を抑えるために考案した。「氷山そのものを空母をしてしまう」という構想である。
水に紙やおがくず・パルプをまぜて凍らせると、強度が増すことが判明し、パイクリートと命名され、これを資材として空母を作ろうとした。空母が損傷しても、水・氷によって修復が可能である。この計画は「ハボクック計画」といわれた。
結局、予想より費用と手間がかかることがわかり、パイクリートは近年、安さと強度から注目を集めているという。
LCT(R)
1943年に配備された。火力支援を行う選管である。見た目は戦車を陸に運ぶ船であるが、上の甲板が一面ロケット弾で覆われており、これを発射するためのロケット発射装置も一面に載せられている。そのため、戦車の運搬はできない。
さまざまな形式があったが、多いものでは1000発以上のロケット弾を数十秒ですべて発射することができた。
準備に恐ろしく手間がかかるので、他の船から装填の兵士を乗り換えさせる必要がままあったらしい。また、発射後は甲板は熱や煙などに包まれる。
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