サッカーのオフサイドについては、カタールワールドカップからシステムが判定を手伝う半自動判定が導入されています。ここでは、オフサイドの半自動判定システムがの半自動判定の原理や仕組みを解説していきます。
オフサイド半自動判定(準自動判定)の導入
オフサイドはサッカーのルールの中でも目視での判定でミスが起こりやすい、あるいは微妙な判定になりやすいルールです。
なぜかというと、攻撃側の選手がオフサイドラインから出ていたのか、出ていなかったのかはぎりぎりの差の場合が起こりえるからです。
また、主審、副審の位置取りから見えにくかったり、選手も審判も動いている中で目で判断することには難しさもあります。
そこで、システムで観測することでオフサイドを自動で判定しようとする技術が開発されました。
それが、オフサイドの半自動判定技術(準自動判定)です。名称は半自動オフサイドテクノロジーとも呼ばれます。
半自動判定の運用はカタールワールドカップから
オフサイドの半自動判定は、2022年からカタールワールドカップで採用されました。また大会によっては使われない場合もあります。
現行の制度では、半自動判定(準自動判定)という形で、わかりにくい場合のみ判定し、さらにシステムの介入があってもジャッジはあくまで主審の判断にゆだねるという形になっています。
また、明らかなオフサイドの場合は、システムの判定を待たずに副審がフラッグを上げて判定しています。
このシステムが一躍有名になったのは、サウジアラビア対アルゼンチンの試合です。
この試合ではサウジアラビアが大金星を挙げたことでもニュースになりましたが、アルゼンチン側のゴール取り消しがこのシステムによって行われたことで、オフサイド半自動判定についても注目されました。
オフサイド半自動判定(準自動判定)の原理・仕組み
ここでは、オフサイド自動判定システムの仕組みを解説していきます。
このシステムの根幹になっているのは複数のカメラによる観測と映像解析の技術です。
複数のカメラによってなるべく死角がないように選手を観測します。また、ボールの位置についても同様です。
この観測は選手の体の部位29か所を捕捉し、毎秒50回という速度で位置情報が更新されます。そのうえで、オフサイドラインがどこなのかを描画します。
そのラインから攻撃の選手が出ていれば、オフサイドということが判定できます。
映像で見てもわかりますが、判定の中では足が出ているだけでオフサイドになっているかどうかまでわかる、というレベルまでの高い精度を誇っています。
オフサイド半自動判定(準自動判定)の問題点は?
問題点もいくつか指摘されています。
他のテクノロジーでも言われることですが、大きいのが費用の問題です。
複数のカメラを導入するにはコストがかかりますが、すべてのスタジアムでそれが導入できるというところまでは費用的な問題から実現できていません。
それから、ファンからの声としては、「ちょっとしか出てないのにそんなに厳しくとるんかい」というような、厳密であるがゆえの困惑も一部ではあります。
まとめ
- オフサイドの半自動判定システムは、カメラによる観測によってオフサイドを自動的に判定してくれるシステム。
- ジャッジは主審にゆだねられる点と、システムによらずに判定されることもあるので、完全自動ではない。
オフサイドに関しても人間よりシステムが優れているという時代になってきたということでしょう。次の大会でも使われると予想されます。