核融合のなかでも代表的なD-T反応のシミュレーションをブラウザ上でおこない、核融合が行われる様子を観察できるサイトツールです。
上の埋め込み内でも使えますが、うまく動かない・大きなページで使いたいというときは、元の核融合シミュレーションページへ(新しいタブで開きます)。
核融合とは
核融合とは、軽い原子核が高温・高圧状態で結合し、より重い原子核になる過程でエネルギーを放出する現象です。
太陽や恒星内部で自然に起こっているエネルギー生成の基本的な反応であり、将来的にはクリーンなエネルギー源として期待されています。
核融合では質量の一部がエネルギーに変換されるため、大量のエネルギーを効率的に得ることができます。
D-T反応とは
核融合の代表例として、重水素(D、²H)と三重水素(T、³H)の融合による反応、いわゆるD-T反応があります。この反応では以下のような核変化が起こります:
D + T → ⁴He + n + エネルギー
このとき、ヘリウム-4核(⁴He)と中性子(n)が生成され、非常に高いエネルギーが放出されます。D-T反応は比較的低温で反応が起こりやすく、現在の核融合研究で最も現実的な燃料反応のひとつとされています。
ツールの使い方
このwebシミュレーションでは、長方形の容器内で重水素(青)と三重水素(赤)の粒子がランダムに動き、一定距離以内で接触するとD-T反応によりヘリウム(オレンジ)を生成する様子を可視化しています。
使い方は以下の通りです:
- 温度スライダー:粒子の運動速度を設定します。値が高いほど粒子が速く動き、衝突の頻度が増えます。
 - 粒子数スライダー:重水素と三重水素の初期粒子数を設定します。両者は半分ずつ生成されます。
 - シミュ開始・リセットボタン:粒子をリセットして新たにシミュレーションを開始します。
 - 画面表示:
- 青色粒子:重水素(D)
 - 赤色粒子:三重水素(T)
 - オレンジ粒子:生成されたヘリウム(He)
 - 灰色の粒子:生成された中性子(n)
 - 「融合回数」:発生したD-T反応の累計
 - 「累積エネルギー」:仮想単位でのエネルギー総量
 - 「核融合発生!」:融合が起こったタイミングに表示
 
 
このツールにより、核融合反応の確率や粒子の運動が視覚的に理解できます。ヘリウム粒子は一定時間表示された後に消え、次の反応を待つ状態になります。
まとめ
- 核融合は軽い原子核が結合してエネルギーを放出する現象で、太陽や恒星のエネルギー源となる。
 - D-T反応は重水素と三重水素の融合でヘリウムと中性子を生成し、高いエネルギーを放出する代表的な核融合反応。
 - 本ツールでは重水素(青)・三重水素(赤)が衝突してヘリウム(オレンジ)を生成する様子をシミュレーションできる。
 - 温度や粒子数を調整することで、核融合の発生頻度やエネルギー累積の変化を観察できる。
 
実際の核融合実験は極めて高温・高圧の条件が必要ですが、こうした可視化ツールを使うことで、粒子の運動や衝突の確率、エネルギー生成の概念を安全に学ぶことができます。

  
  
  
  
