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第二次大戦の時期の日本で、「石油の生成に成功した」という触れ込みで詐欺をはたらいた事件が多発した。その男は本多と名乗り、当時の軍の上層部を騙したが、インチキであった。
1930代 日本海軍燃料厰に「水からガソリンができた」という触れ込みで本多がやってくる
軍の中には怪しんだ人もいたが、実験をすることになった。
直後 実験期間中になったが一向にガソリンはできず、しまいには病気だと主張してかえってしまった。
軍需局は詐欺と判断した。
直後 航空本部に話を持ち込む。今度は、近衛首相などにも説明がいき、近衛は「井戸水からガソリンができるらしい」と閣僚に話したようだ
今回も怪しまれたが、立会人つきで実験をすることに。
同時期 3日に渡る実験で、立会人が疲れたところでガソリンのビンを出した。しかし、軍はビンの形を詳しく記録していたので、すりかえばれる
直後 本多は警察に捕まり、騒動は終了。
実は以前にも航空本部にガソリンを提出したことがあり、これはサンプルと共に調査されたが、結局、海軍が使っていた潤滑油だった。
「神のお告げにより、富士山麓で採掘すれば石油がでる」という話をもとに採掘がされていたが、これもインチキであった。
1930代 お告げをもとに実業家数人が資金を出しあって、富士山麓で採掘する。しかし、石油はなかなかでなかった
1939 石油が採掘された、という発表がなされ、俄然おおさわぎに。
その後 政府や軍の調査により、掘削用の機械の機械油を、石油と偽っていたことが発覚。
これは「松の木からでる脂をとって、燃料にしよう」という発想で、当時の国民を巻き込んでの回収作業が行われた。実際に燃やすことはできるが、飛行機の燃料とはできなかった。
松脂から、されに精錬された油をつくる試みがなされる。
1945 終戦。松脂は役に立たなかった。しかし、余ったものを民間では暖をとるなどで多少は使ったらしい。
・燃料厰などの「厰」
は、役所の単位で、今で言う省や庁の意味。
・石油への渇望
当時の政府や軍部が、どれだけ石油や燃料を渇望していたか、がよくわかる事件である。結局、アメリカやイギリスの燃料の豊富さを覆すことはできなかった。