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世界一長い英語の回文は、実は100語以上を超えています。日本語の文献では短文のみしか紹介されていませんが、実は文章になっているものがあるのです。それを紹介します。
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世界一長い回分として知られているのは、この作品です。タイトルを和訳するなら、「オスロのアークワード教授とオルソン教授」という風になると思われます。
この作品は、1986年に、ロサンゼルスタイムズ上にて発表されました。作者は、ローラス・レバインという人物です。
なんと、この英語の回文は170ワード、600文字も使っている長い長い作品です。作者は5か月間をかけてこの作品を書き上げたようです。
ちなみにタイトルも一部回文になっており、「Dr. Awkward」の部分と「Olson in Oslo」の部分は反対から読んでも同じ内容になります。
ここでは全文を引用して、一部和訳を試みてみましょう。非常に長く、途中で英語ではなさそうな言語も出てきます。また、回文の性質上、文法も多少無視してゴリ押しせざるを得ないので、かなり難しいですが・・・
引用:https://digitalcommons.butler.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=3170&context=wordways
Tacit, I hate gas,
(aroma of evil), a nut, sleep,
no melons, drawers, bards,
Eta Delta, ebon, a hare, macaroni,
stone raps, id, a lass lion,
apses, ore, lines, a loner, war
oh, bait I hate! – jam, ugh;
cabs, warts too, spas, Odin, roes.
I revile dope, naps, a wagon add a sob – oh, damn it!
(so do dodos, ahem) – lepers? mark up a love
sips, editors, tops, rime, denim,
repose (alas, simoleons), loops, rats, gals,
a tar bag and a maniac Cain,
a mad nag, a brat , a slag star, spools,
Noel – O Miss Al Aesop, ermined emirs,
pots, rot I despise; Volapuk,
rams repel me (ha! so do dodos),
tin, mad hobos, add a nog,
a wasp, an epode, liver.
I scorn “I do,” sap, soot, straws,
Bach, gum – a jet? ah, it I abhor
a wren? O Ial senile roses, pan oils, salad;
I spare not sin or a camera (ha! no Beatle), dates, drabs, rewards,
no lemon peels, tuna, live foam or a sage Tahiti cat.
黙々とつぶやく、俺が嫌いなものは、排気ガス(邪悪な香りだ)、ナッツ、睡眠・・・
・・・(中略。ここは嫌いなものをひたすらつぶやいていると解釈)・・・
・・・皮なしのレモン、ツナ、生きているような泡や賢人ぶったやつ、タヒチの猫だ!
このように、嫌いなものを語り手がつぶやくという形になっています。
回文になっているかどうか、最初と最後を見て確認してみると、
Tacit, I hate gas
・・・
sage Tahiti CAT
という風に、単語の切れ目を変えているだけで、きちんと回文になっていることがわかります。
回文は長くしようとすると、単語の羅列を使ってうまく回文の構造を保ちながら語数を稼ぐことが重要になってきます。
この作品でも、嫌いなものを羅列するという形で、うまくその構造を作り出していることがわかります。
あとは途中で感嘆詞のような単語を挟んで回文としてつなげるという手法も多く使われています。
また、ハイフンやコンマ、クーテーションなどの記号を駆使して単語の切れ目を工夫するというのも頻出するスキルとなっています。
この辺りの技術は言語を問わず回文を作るうえで必須のテクニックということがわかります。
数か月をこの作品に込めたこともあり、情熱が伝わってきます。英語回文は単語内の文字を入れ替えられないこともあり、短いものが多いのですが、ここまで作れるのは感動です。