第1・第2・第3の宇宙速度でボールを発射するシミュレーションをウェブ上で実行し、様々な軌道を観察できるサイトツールです。有名な「大砲の思考実験」が再現できます。
上の埋め込み内でも使えますが、うまく動かない・大きなページで使いたいというときは、元の宇宙速度(大砲の思考実験)シミュレーションページへ(新しいタブで開きます)。
🌌 宇宙速度とは?
宇宙に物体を打ち上げるとき、重要なのが「宇宙速度」です。
これは、地球の重力をどうやって突破するかに関わる「速度の段階」です。
🔢 第1宇宙速度(約7.9km/s)
- 地球の表面近くを円軌道で周回するために必要な最小速度
- この速度以上であれば、地表に落下せずに「衛星」として地球を回れます
- 地球に一番近い軌道:低軌道(LEO)
軌道の形状:
🔵 円軌道(安定して地球をぐるっと回る)
🔢 第2宇宙速度(約11.2km/s)
- 地球の重力圏から脱出するために必要な速度
- これ以上の速度で打ち上げれば、物体は二度と戻ってきません
軌道の形状:
🟠 放物線軌道(地球の引力と速度がちょうど均衡し、脱出点ギリギリ)
🔢 第3宇宙速度(約16.7km/s)
- 太陽の重力を振り切って太陽系の外へ脱出するための速度
- 探査機「ボイジャー」などがこの領域に挑みました
軌道の形状:
🟣 双曲線軌道(高速で地球・太陽系を脱出)
🟢 楕円軌道について
第1宇宙速度より少し遅いか速い速度で打ち上げると、
完全な円軌道ではなく、
少しだけ伸びた楕円軌道になります。
これは実際の衛星軌道でよく見られる形です。
補足
- 速度が遅すぎると地球に落ちる(軌道にならない)
- 速度が速すぎると宇宙へ飛び出す
この「速度による軌道の違い」を、このツールで自由に調べてみましょう!
🧠 ニュートンの思考実験
このシミュレーションの元になっているのが、アイザック・ニュートンの「大砲の思考実験」です。
彼はこう考えました:
もし、非常に高い山の上から大砲で弾を発射したら、
十分な速度であれば、地球の丸みに沿って永遠に落ち続けるのではないか?
これがまさに「人工衛星の軌道」の発想です。
ニュートンは地球の重力と速度の関係から、「軌道運動」という概念を初めて提案しました。
宇宙速度シミュレーションツールの使い方
このHTMLツールでは、ニュートンの思考実験を視覚的に体験できます!
🔸 ツールの操作方法
- 発射速度を設定(スライダーで 6.0〜13.0 km/s を選択)
- 「🚀 発射!」ボタンをクリック
- 衛星が発射され、軌道が描かれます
🔸 デフォルトは「第1宇宙速度」付近(7.8 km/s)
初期状態の速度は約7.8 km/s なので、衛星はほぼ円軌道を描きます。
これが実際の人工衛星と同じような軌道です。
🔸 表示内容
- 青い円:地球
- 赤い点:人工衛星(ボール)
- 黄色い線:衛星の軌道(軌跡)
- 緑の三角形:地球の上に固定された「山」
⚠️ 注意点
このシミュレーションはシンプルで見やすい反面、以下のような制限や誤差があります。
- 誤差の蓄積
数値計算の簡略化により、長時間表示していると軌道がわずかに歪むことがあります - 空気抵抗は無視
宇宙空間を前提としているため、現実にはある大気の影響は含まれていません
✅ まとめ
📌 本記事の内容まとめ
- 宇宙速度は第1(周回)・第2(脱出)・第3(太陽圏脱出)の3段階
- ニュートンの思考実験から軌道の概念が生まれた
- ツールでは発射速度を変えて軌道の変化を観察できる
- デフォルト速度(7.8km/s)では円軌道を描く
- 誤差の蓄積により軌道が微妙にずれることがある
このツールは、宇宙・物理・プログラミングの学習にぴったりです。
コードもシンプルなので、自分で改造するのも楽しいですよ!
興味があれば、ぜひ自分の手で宇宙を飛ばしてみてください 🌍🚀✨