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ノーベル賞発表の週ということで、日本人や日本にゆかりのある研究者を中心に、その業績や生い立ちを解説していきます。この記事では、生理医学賞を受賞したスバンテ・ペーボ氏について解説します。日本とも関係のある研究者ですので、その意味でも注目です。
スバンテ(スヴァンテ)・ペーボ氏はスウェーデン、ストックホルム出身の遺伝子学者です。1955年生まれですので、今年で67歳ということになります。
(余談ではありますがノーベル賞もストックホルムで行事が行われますので、そのおひざ元の出身でもあるということになりますね。)
ノーベル賞受賞の理由となる業績は、次のようなものです。
「絶滅したヒト族のゲノムと人類の進化に関する発見」に対して
このノーベル賞を受賞した業績をわかりやすくいうと、次のようになります。
ペーボ氏は古遺伝子学の創始者のひとりとして長年研究に取り組んできました。古遺伝学とは、遺伝子学の手法を使用して古代の人類や動物の集団を研究する学問です。
中でも、ペーボ氏はネアンデルタール人のゲノム研究に大きな影響を与えました。この業績で有名なものに以下があります。
1997年にペーボと同僚は、ネアンデルタール谷のフェルトホーファー洞窟で見つかった標本に由来するネアンデルタール人のミトコンドリアDNAの配列決定に成功しました。
この業績を足掛かりにして、2006年ごろからネアンデルタール人のゲノムの完全解析と再構築を行う計画に着手しています。
この計画は最終的に2009年にほぼ完了しました。
ノーベル賞を受ける場合、このほかにも事前に栄誉ある賞をもらっていることがほとんどです。ペーボの場合もこの例外ではなく、以下のような賞を受賞しています。
有名なものでは、
などがあります。これ以外にも合計10戸程度の賞を受けています。慶応医学賞を受けているという意味でも日本とのつながりがあることがわかります。
スバンテ・ペーボ氏は、日本にも関係のある研究者として知られています。関係としては沖縄の大学で客員教授をしていることがあげられます。
ペーボ氏は沖縄科学技術大学院大学客員教授としてのキャリアを務めていました。
ここでも、受賞の理由につながったネアンデルタール人の研究をしていたようです。
客員教授以外の肩書としては、ドイツのマックス プランク進化人類学研究所の遺伝学部門の所長などがあります。
ちなみに沖縄科学技術大学院大学はどこにあるかというと、沖縄県の中腹あたり、国頭郡 恩納村にあります。今後、この大学に入学希望者が増えることがあるかもしれませんね。
ペーボ氏の父親も、実はノーベル賞を受賞した研究者です。名前はカール・ベルグストロムといって、生化学の研究をしていました。
父親のほうは1982年にプロスタグランジンおよび関連物質に関する発見により、二人の研究者と共にノーベル生理医学賞を受賞しました。
よって、親子で同一のジャンルのノーベル賞を取っていることがわかります。(親子で異なる分野の場合もあります。)
顔を見ると、かなり似ていることがわかります。
親子でノーベル賞を受賞した事例としては、8組目ということになります。その優秀な遺伝子はうらやましいですね。
ペーボ氏に心よりお祝い申し上げます。今後も沖縄の地で古遺伝子学の研究を発展させていってほしいですね。