Categories: 映画元ネタ

宇宙戦争ラジオドラマの和訳とあらすじ解説!そこまで怖いドラマではない?!

『宇宙戦争』のラジオドラマは、1930年代にアメリカで放映され、それを本物の火星人の侵略だと信じた人がいたという逸話で有名です。ここでは、宇宙戦争の和訳したうえであらすじを解説していきます。

\閲覧ありがとうございます!当サイトではリンク広告を利用しています/

宇宙戦争のラジオドラマ

SF作品『宇宙戦争』のラジオドラマは、1938年にアメリカでラジオ放送されました。

原作はもちろんHGウェルズのSF小説『宇宙戦争(原題:War of the worlds)』であり、ダイジェストながら原作の流れを踏襲しています。 

この放送を聞いたリスナーが、火星人が本当に攻めてきたと勘違いして全米がパニックになった、というエピソードでも有名です。

もっとも、このエピソードは誇張されたデマという説が有力なようです。

現代では実際の音源を動画サイトなどで聞くことができます。

一番有名な「番組が中断して宇宙人襲来の臨時ニュースが流れ始める」というくだりは動画のリピートが一番多いところの前後を聞いてみるとわかります。

宇宙人が攻めてきているといっても環境音が多く入っているわけではなく、悲鳴の演技もどこか他人事のような雰囲気なのがジワります。

宇宙戦争ラジオドラマの和訳

宇宙人が襲来したくだりを和訳すると以下のようになります。

上記の動画の18分18秒あたりからが宇宙人の攻撃シーンです。

(ビームのなる音とノイズ)

現地レポーター:
穴からこぶのあるものが立ち上がっています。鏡に映った小さな光の筋が見えます。あれは何でしょう? 鏡から炎が噴き出し、前進する兵士たちに向かって飛び込んできました。正面から襲い掛かりました! なんと、兵士たちは炎に変わっています!

(悲鳴と叫び声)

現地レポーター:
今、野原全体が燃えています。森、納屋、自動車のガソリンタンク、あらゆるところに燃え広がっています。こちらに向かって来ています。私の右側約20ヤードのところ…

(マイクのノイズが鳴り、突然の沈黙)

アナウンサー:
皆様、トラブルにより、グローバーズミルからの放送を続行することができません。明らかに、現地からの送信に何らかの問題があるようです。しかし、できるだけ早く復旧します。その間、カリフォルニア州サンディエゴから遅れて速報があります。カリフォルニア天文学会の晩餐会で講演したインデルコッファー教授は、火星の爆発は間違いなく火星表面の激しい火山活動の擾乱に過ぎないという意見を述べました。それでは、ピアノの合奏を続けます。

(音楽の演奏)

クライマックスのあたりで、宇宙人がバクテリアによって全滅しているのを発見するくだりを和訳すると以下のようになります。

上記の動画の53分02秒あたりからのピアソンの独白のなかで宇宙人の全滅が報告されます。

ピアソン:
砲兵と別れた後、私はついにホランド トンネルに着いた。私はハドソン川の向こう側にある大都市の運命を知りたくて、その静かなトンネルに入った。慎重にトンネルを出て、キャナル ストリートを上っていった。14 番街に着くと、そこには再び黒色火薬と数人の死体があり、いくつかの家の地下室の格子からは不吉な臭いが漂っていた。私は 30 年代から 40 年代を歩き回り、タイムズ スクエアに一人で立っていた。私は、やせ細った犬が、茶色の肉を口にくわえて 7 番街を走っているのを目にした。その犬は、飢えた雑種犬の群れを追っていた。まるで私が新たな競争相手になるのではないかと恐れたかのように、私の周りを大きく回っていた。私はブロードウェイを歩いて、あの奇妙な粉の方向へ向かった。誰もいない歩道に物言わぬ商品を陳列している静かなショーウィンドウを通り過ぎ、静かで暗いキャピトル劇場を通り過ぎ、木製のアヒルの列と空の銃の列が対峙している射撃場を通り過ぎた。コロンバスサークルの近くでは、誰もいない通りに面したショールームに1939年製の自動車の模型が並んでいるのに気づいた。ゼネラルモーターズビルの上から、空を旋回する黒い鳥の群れを眺めた。私は先を急いだ。突然、セントラルパークのどこかに火星の機械のボンネットが夕方の太陽を浴びて光っているのが目に入った。とんでもない考えだ!私は無謀にもコロンバスサークルを横切り、公園へと駆け込んだ。60番街の池の上にある小さな丘を登った。そこからは、モール沿いに静かに一列に並んで立っている、金属製の巨体が19体見えた。その頭巾は空で、大きな鋼鉄の腕がだらりと脇にぶら下がっていた。私はそれらの機械に棲む怪物を探したが、無駄だった。
突然、私の目は真下に舞い上がる黒い鳥の大群に引きつけられた。鳥たちは地面に旋回し、私の目の前には荒涼として静まり返った火星人たちが横たわり、飢えた鳥たちが彼らの死体をつつき、茶色の肉片をむしり取っていた。後に彼らの死体が研究所で検査されたとき、彼らは腐敗菌や病原菌に殺されたことがわかった。彼らの体はそれに対する備えができていなかった。… 人類の防御策がすべて失敗した後、神がその知恵によってこの地球に与えた最も卑しいものによって殺されたのだ。

まとめ

  • SF作品『宇宙戦争』は、ラジオドラマとしてアメリカで放送され、混乱を引き起こしたといわれる作品として知られている。
  • 和訳すると、原作の流れをダイジェストでまとめた作品となっていることがわかる。
  • バクテリアによって火星人が全滅するという描写は登場人物の独白によって明らかになる。

ラジオによってSF的なビジュアルを表現するのはチャレンジでもあったと思われますが、現代でも語り継がれる作品になったことは間違いがないです。

haccle