\閲覧ありがとうございます!当サイトではリンク広告を利用しています/
スポーツの大会において、中東のチームに対して中東の審判が有利な判定をするように見える、という現象を、「中東の笛」といいます。この現象は、サッカーとハンドボールでとくに有名です。ここでは、動画も交えて、中東の笛と呼ばれた自称を取り上げます。また、なぜ起こるのかも紹介します。
もっとも有名なサッカーの中東の笛と呼ばれる出来事は、1982年ワールドカップのフランスとクウェートの試合でおこりました。これは、しっかりと映像も残っており、今日でも確認できます。
この試合では、当初フランスが2-1でリードしており、3点目が明らかに入りました。しかし直後、突然王族のファハド王子がピッチ上に乱入し、審判のもとにかけより、なにか言葉をかけているのがわかります。
このときの口論は6分間ほど続きました。このあとのジャッジが不可解であり、フランスのゴールは取り消されることになりました。なんらかの圧力をあたえたものと予想されます。
その後、ファハド王子はクウェート侵攻の混乱の中で亡くなってしまったため、真相ははっきりとはわかっていません。
イワノビッチ氏はスキャンダルの後、審判の資格を失格となりました。
このときのなにを言われたかは審判をしていたイワノビッチ氏に聞けばわかるのかもしれませんが・・・。(まだ存命中のようです。)
日本代表の試合でも「中東の笛」とよばれる事象は最近でも起こっています。
この試合はアウェーで行われました。
南アフリカ大会を決めたウズベキスタン戦では、選手たちは審判のジャッジに苦しめられたらしく、試合後のインタビューで日本代表の田中マルクス闘莉王選手が「レフェリーにも勝って、相手にも勝って・・・」という風に感想を述べています。
この試合はホームで行われました。
UAEと対戦した際に、同点ゴールとなりそうなシュートが撃ち込まれます。
これはノーゴールと判定され、日本側が不満そうにします。たしかにスローでよく見える角度から見てみるとゴールラインを超えているにもかかわらず、ゴールは認められませんでした。
じつはこの単語はハンドボールが発祥です。
引用すると以下のようになります。
「当初は中東の笛と書くとき、『』をつけたり、『いわゆる』などとぼかしていたんですが、最近はすっかり定着ですね」と野村編集長。
不当な判定を取材で実感したのは95年のアトランタ五輪予選が最初だ。
https://web.archive.org/web/20080201092450/http://www.asahi.com/sports/update/0129/TKY200801290283.html
じつは意外と古い言葉だったということがわかります。
とくに有名なのは以下の事例です。
これは北京オリンピックの予選として、愛知県で行われました。当初はドイツ人の審判団が裁く予定でしたが、アジアハンドボール連盟の指示により中東のヨルダンの審判に変更になりました。
韓国と日本が共同で抗議文などを送った結果、アジア予選を無効となり、女子と男子の両方で予選を東京でやり直すことになりました。
中東の笛がおこるわけは、そのスポーツを運営する協会などとそのスポンサーとなる石油事業者、及び王族の力関係によって引き起こされます。
ハンドボールではこれが顕著であり、アジアハンドボール連盟は中東の王族がり塩務めるなどそのスポンサーが役職についていることも多く、この力関係から中東出身の審判で試合がジャッジされたり、有利な判定がされたりという事象が起こっています。
中東の笛は、英語訳を検索してみると一応「the whistle of the middle east」と、直訳で翻訳されます。
これで検索をかけると、一番上には上記のハンドボールの試合について述べているニュースがヒットします。
そこでは、so called、つまり、「いわゆる中東の笛」という文脈でこの単語が使われており、英語圏ではそこまで知名度を得ていない単語であることがうかがえます。
この単語に対して、中東も多くの国があり、すべてをひとくくりにすることはできない、といった意見や、地域を名前に関していることは偏見につながるので好ましくないという批判も近年ではみられるようになりました。
ですので今後は「スポンサーの笛」などという、地域に関わらずスポンサーや財力がらみの言い方に変わっていく可能性もあるかもしれません。
カタールワールドカップは、まさに中東で行われます。この大会では、審判に注目してみるのも興味深い観戦方法かもしれませんね。