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耐性菌は感染症の歴史でも難問のひとつである。そのメカニズムを簡単に解説した。また、黄色ブドウ球菌と人類の戦いについても解説した。
耐性菌のメカニズムはいくつかあることが知られているが、以下のようなメカニズムが有名である。
他の細菌が、本体と独立して動くことのできる遺伝子によってバンコマイシンに対する耐性をもつ遺伝情報(耐性プラスミドという)を受け渡す
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黄色ブドウ球菌が薬剤耐性遺伝子を獲得
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既存の薬剤が効かなくなる
このような遺伝子情報を通じた薬剤耐性の獲得がしられているパターンのひとつであり、黄色ブドウ球菌は進化の速度が速いことでも知られる。
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は1880年に発見された。ついで、感染症を引き起こすことも判明した。
1929年、ペニシリンが発見される。耐性菌という概念のなかった人類にとっては、菌との戦いに終止符を打てるのではと期待できる大偉業であった。しかしながら、耐性菌が誕生して戦いは振り出しにもどる。
しかし、ペニシリンの使いすぎによって「ペニシリン耐性黄色ブドウ球菌」が発生。
つぎにこれに対抗するべくメシチリンが発明された。しかし、今度は「メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」が発生。これは医療関係者を震撼させたといわれている。
さらに、細菌の増殖をじゃまするバンコマイシンを開発。これにも「バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)」が出現し、また苦戦を強いられることに。
現在でも、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌には決定的な対策がなく、薬の投与を最小限にするという対応がとられている。
黄色ブドウ球菌は、コロニーが肉眼にみえる大きさになると、黄色みをおびたブドウの房に見えることから、黄色ブドウ球菌という名前がついた。ブドウという名前がついているものの、ブドウとはあまり関係がない。
なお、全世界に分布している。体長は1マイクロメートル。