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「経済学に“力学”を導入するって、何それSF?」って思ったあなた、実はこれ、れっきとした数学的挑戦なんです。
私たちが普段「価格が上がった!」「需要が減った!」なんてニュースで聞くあれこれ、あれも全部、力が働いて動いているとも考えられるんですよ。
今回は、数学者スティーヴン・スメイルが提示した「経済学に力学的な視点を組み込もう!」という超野心的な未解決問題に迫っていきます!
まずおさらい。
経済学には「一般均衡理論」という、経済全体のバランスを数学でモデル化する超重要な理論があります。
ざっくり言えば、複数の財(モノ)がある世界で、すべての市場が同時にバランスする価格の組み合わせを見つける理論です。
でもここには一つの大きな空白がありました。
それは…
つまり、静的な均衡点だけはある。でもその動き方(ダイナミクス)がない!
スメイルはこう考えました:
「数学者なら、経済の動きも力学的にモデリングできるはずじゃない?」
「経済の価格が“どう動くか”を、物理の粒子のように扱えないか?」
つまり、価格調整という“動的なプロセス”を、ニュートンの運動方程式みたいに微分方程式で表せないか?というチャレンジです。
実際、力学の考え方を経済に応用する研究はじわじわ進んでいて、いくつかの重要な進展がありました。
この問題、完全に解けたわけではありませんが、いくつかの具体的モデルや部分解決が登場しています。
これはつまり、「現実の価格の動き方」を、数式でちゃんと説明できる可能性があるってこと!
すごくないですか?
この数式たちは、もともと物理や工学で使われていたもの。それが今や、価格の動きを記述するツールになってるんです。
もしこのスメイルの第8問題が完全に解けたら、経済学と数学はこんな風に進化するかも!
これまでの均衡モデルは「すでにバランスしてる世界」しか見ていませんでしたが、
力学的なモデルが導入されれば、
といった“時間の経過とともに起きる経済の挙動”が見えてきます。
中央銀行や政府が「金利を上げたらどうなる?」というシミュレーションを、力学モデルで予測できる時代が来るかも。
動的最適化と組み合わせれば、「未来の経済を設計する」道具にもなります。
ハミルトン力学、安定性解析、最適化理論――
こういった“数学の古典ツール”が、経済の世界で第二の人生を歩み始めています。
ここでちょっと視点を変えてみましょう。
市場の中にいる無数の消費者や企業が、それぞれ意思決定をして、価格に影響を与えていく。
これはまさに、無数の粒子がそれぞれの力に従って運動しているようなもの!
つまり、価格という「見えない力の結果」を、
ことが可能になるんです。
とはいえ、まだ課題も多いです。
でも、そういった“現実とのズレ”を乗り越えるための鍵が、力学的アプローチだとも言えます。
次回の「帰れま18」では、スメイルの第9問へ進みます。
「次は何が来るんだ!?」とワクワクしながら、お楽しみに〜!✨