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こんにちは!『スメイルの問題全部解説するまで帰れま18』、今回は第14問「ローレンツアトラクターの特性」に迫ります。
数学と物理が融合したダイナミカルシステムの世界から、興味深い問題を解説しますよ!
そしてこの問題、\完全解決!/している問題です!
なお、「13番目の問題はないの?」と思うかもしれませんが、13問目は『ヒルベルトの23の問題』の第16の問題と同じなので、このシリーズでは割愛します。
「ローレンツアトラクター」は、1960年代に気象学者エドワード・ローレンツによって発見された、カオス理論の象徴的なモデル。
「ストレンジアトラクター」とは、非線形ダイナミクスで見られる特異な引きつけの形。
このローレンツアトラクターは、カオス的なふるまいをするものの代表例で、シミュレーションを図示したものが良く教材などでも使われます。
また、有名なバタフライエフェクトの象徴として、このアトラクターが描く「蝶々の形」が引用されることがあります。
この図は見たことがある人も多いのではないでしょうか?
話がやや横道にそれましたが、問題に戻ると、この問題が問うていることはこうです:
❓ ローレンツアトラクターはストレンジアトラクターの特性を示しているか?
スメイル問題では、この問いが正式に掲げられました。
つまり、ローレンツアトラクターの軌道が「ストレンジアトラクターの特性(フラクタル的でカオス的な振る舞い)」を持つことを数学的に証明できるか、ということです。
この問題は難しく長い年月の挑戦が続きましたが、
ウォウィック・タッカーさんが画期的な方法で解決しました。
ここで使われた重要な技術の一つが 区間演算(Interval Arithmetic) です。
区間演算とは、数値計算で発生する誤差や不確実性を「区間」として扱い、計算結果を必ずその区間内に収める方法です。
つまり、通常の計算のように「丸め誤差」が問題になるのではなく、計算途中の誤差を明確に区間で管理することで、
「結果はこの区間に絶対に入っている」と保証できるため、
コンピュータによる証明の信頼性が格段に高まります。
つまり、スメイルの問題の中で、一番最初に解決された問題という記念すべき問題でもあります!
次回もスメイル問題で最先端の数学の謎に迫ります!お楽しみに!✨