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今回は『スメイルの問題全部解説するまで帰れま18』、いよいよ10の大台に乗る問題に入ります!
ここでは「Pugh(ピュー)さんの閉補題」についてご紹介します!
名前からしてちょっとかっこいいですが、実はこの閉補題は「カオス理論」や「力学系」の研究に欠かせない重要な概念なんです。
日本の研究者もこの問題の部分解決に貢献していて、世界的に注目されていますよ。
では、さっそく中身をポップに見ていきましょう!
ざっくり言うと…
もう少し噛み砕くと、
カオス的な振る舞いをしている力学系の中には「周期的に同じ場所をぐるぐる回る軌道」がたくさん隠れている、ということですね。
こういったシステムのカオス集合は「ランダムっぽい動きがたくさんある」わけですが、Pughの閉補題によって、そうしたカオス的な複雑さも「周期的にぐるぐる回る軌道」がすごく密に詰まっている状態で説明できるのです。
これが意味するのは、
もしある力学系が「周期的な動きを一切しない」という特徴を持つなら、
その系はカオス的には振る舞わない、ということです。
この結果は、カオス理論や自律収束の定理の基礎となっています。
Pugh(チャールズ・ピュー)はアメリカの数学者で、力学系の分野で数多くの重要な業績を残しています。
その中でも「閉補題(closing lemma)」は、力学系のカオス的振る舞いの理解に大きく貢献しました。
力学系という分野は、気象学、物理学、生物学、経済学など、様々な自然現象や社会現象のモデリングに欠かせません。
カオス的な振る舞いは「予測が難しいけどパターンもある」という複雑さの代名詞なので、これを数学的にきちんと捉えることが大切です。
Pughの閉補題は、こうした複雑な力学系の解析に強力な武器を与えてくれます。
特に「自律収束定理」という、システムが安定的に特定の状態に落ち着くことを示す定理の土台としても使われています。
Pughの閉補題自体は長い間「部分的にしか解決されていない」難しい問題でした。
ですが、2016年に日本の数学者、浅岡真(M. Asaoka)さんと入江健太(K. Irie)さんによって、閉曲面(例えば球面やドーナツ型の曲面)上のハミルトン微分同相写像に対してこの閉補題が証明されました!
これは大きな前進で、世界の数学コミュニティでも高く評価されています。
日本の研究者がスメイルの難問の一つに貢献した例としても誇らしいニュースですよね。
もPughの閉補題がさらに広い範囲で完全に証明されると、次のようなことが期待できます。
つまり、純粋数学の世界だけでなく、工学や自然科学への応用も広がる可能性があるんです。
スメイルの18の問題の中でも、力学系の基礎に関わる深い問題として、今後の研究が非常に楽しみです。
これからも数学の世界のワクワクする話題を一緒に探求していきましょう!
ここからは、「部分的に解決」のラッシュが続きます!未解決になっていてモヤモヤする、ということは少ないかも?