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ロールシャッハ・テストは心理学で使われる、精神分析の一種である。インクをこぼして紙を折り曲げ、再びあけっときの模様に何が見えるか答えるもので、自動車教習所などでやって疑問に思った人もいるかもしれない。ここでは、その歴史と否定的な意見もあるのでその紹介をする。
基本的には模様と設問を用意しておき、設問の答えによってその人の性格がわかる、というものである。たとえば、インクの模様の中にライオンが見えたとすると、その人の精神の中には攻撃的な性質がある、というような見方をする。
歴史は20世紀はじめに始まる。
ヘルマン・ロールシャッハという1884年生まれの人物がこのテスト方法を開発した。もちろん名前の由来はこの人である。もともと、医学を専攻して精神病院に勤めることになるが、ロールシャッハは絵を描く資質があった。
そののち、精神病診断の研究を始め、図表に対する反応から精神状態を探るという研究に触発され、ロールシャッハテストが生まれた。彼は1918年から研究を始め、スコアリングカテゴリの生成に取り組んでいる。
アメリカで戦争中に軍隊の心理状態に関心が高まり、1942年に「精神診断学」が出たことで一気にロールシャッハテストが広まった。
ロールシャッハテストは黄金時代を迎えたが、次第にどういう図版でどのようなスコアリングをするかという別の流派が多く現れ、どれを選べばよいのか、という混乱が起こった。
1960年代に、信用性に疑いを投げかける論文が2点発表されたことで、ロールシャッハテストは打撃を受けた。
ひとつは、「入学時のテストの結果、予想される卒業時の成果と、実際の卒業時の成果の相関がみられなかった」といものだった。
もうひとつは、「パイロットの診断結果と実際の訓練の結果に相関がみられない」ということだった。
この二つの批判を受けて、1960年代にはつづけて占星術とよばれたり、確証バイアス、コールド・リーディングなどといった批判を受けた。
これらの批判を受けて、それまであった流派を包括する手法が模索され、エクスナーによって結果との相関の高いテストが開発されたことで、批判派もやや下火になった。
上述のように批判はあったものの、何度かの用法の見直しが図られたことで、一応、古典的な信用のあるテストとして、自動車教習所などで使われるにいたっている。