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『リゾートバイト』は、ネット上で最も有名な怖い話の一つです。この場所を特定してみるとどこになるのかを、本文の描写をもとに考察していきます。
『リゾートバイト』は、2ちゃんねるの怪談スレッドである洒落怖に投稿(転載)された長編の怪談です。
もともとは2ちゃんねるの洒落怖ではなく、別の怖い話投稿サイトに書かれた怪談であることが知られています。
洒落怖で最も怖い話にあげられることもあります。最も怖いかどうかは各人の評価にもよるところですが、最も長い話の一つであることは疑いがないです。
このこともあり、日本のネット上の怪談では非常に有名です。
この出来事の場所を特定するとどこなのでしょうか?
ここではまず、場所を特定できそうな情報から抜き出していき、考察していきます。
リゾートバイトの場所はどこになるのでしょうか?
場所の情報や、怖い話特有の風習の情報などをまとめてみましょう。
風習などについては以下の情報があります。
これらの情報から、リゾートバイトの出来事が起こった場所の特定を試みていきましょう。
上で書いた情報に合致する場所を特定していくと、何個か候補を挙げることができます。
もっとも目立っている要素は、保管されていたへその緒と、それを使った「子を呼び戻す儀」でしょう。
しかし、へその緒を保管するという風習は日本全国に残っており、この部分は決定的に場所を絞り込む手がかりにはなりません(逆に、海外ではほぼ見られない珍しい風習のようですが)。
また、へその緒を何らかの儀式に使用するという事例は調査した範囲だと発見できませんでした。
もう一つの手がかりになりそうな要素として、寺のほかに鳥居といった神社の要素が合わせて登場していることがわかります。
このことから、神仏習合した寺または神社が本文中でお祓いを行った場所だということが考察できます。
現代まで神仏習合の性質を残している寺や神社は北の方から順に以下が知られています。
このうち本文によく合致するのが兵庫県です。
なぜかというと、神仏習合した現存する神社があり、なおかつ海がある県(内陸県ではない)で候補になるのが兵庫県だからです。
ほかに合致する都道府県としては東京と京都のものが該当します(いずれも海岸線は内陸に接している部分と比べて短いですが)。
しかしながら、東京はリゾートバイト先としては選ばれなさそうですし、京都の神仏習合した神社も海岸からはかなり遠い内陸部にあります。
よって、兵庫県が舞台だと推測することができます。
鳥居もあり、寺の要素も残っている神社として兵庫県に現存するのが祇園神社です。
鳥居をくぐると石段があり、これも本文に出てくる石段の描写と一致します。
また、薬師如来像を置くための薬師堂もかつては存在していたことが公式サイトの説明に書かれています。
このような○○堂は寺にある建物(神社にある建物は○○殿と呼ばれることが多い)なので、この辺にも神仏習合の名残が残っています。
このような堂は、本文に出てきた「おんどう」を指していると考察することもできます。
ここからはリゾートバイトが創作であると思われる点をまとめていきます。
上で述べたとおり、リゾートバイトの怖い話の後半の舞台は、寺(仏教)と、神社(神道)の特徴が混ざった描写が散見されます。
これは現在の日本の宗教観からするとあまり正確ではないです。
このような描写からみて、リゾートバイトは創作であると考えられます。
(まあ、創作であるとすると上で考察した事柄はまったく意味をなさないということになってはしまいますが・・・。)
おそらくは、リゾートバイトに行った先で怖い体験をした、おかしな部屋を見つけた、などの経験をした作者が、そこから膨らまして作った話であると考えられます。
仮にそうだとすると、作者がバイトしたと思われる本文と同じ間取りの2階建ての旅館自体は存在するのかもしれません。
神仏習合した神社仏閣がなぜ内陸県や内陸部に多く残っているのか、というのは興味深い発見だと思いました。