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永久機関File25:ザンボーニの永久機関とは?電池をつなげば100年動く!……かも?

今回は永久機関Fileとして電池にまつわるものを紹介します!
みなさんも、子どもの頃にこんなこと考えたこと、ありませんか?

「電池を10個、100個つなげたら、もうずーっと動くんじゃない!?最強のモーター作れるでしょ!」

でも実は…この「夢の永久モーター」を本気で実現しようとした先人がいたんです。しかも1800年代に!

今回は、ちょっとレトロでロマン溢れる電池型永久機関、その名も「ザンボーニの永久機関」について深掘りしていきます♪


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ザンボーニの永久機関ってなに?

まずはネーミングから気になる「ザンボーニ」ってなに?というところから。

● ザンボーニって誰?

ジュゼッペ・ザンボーニ(Giuseppe Zamboni)は、イタリアの物理学者で、18世紀〜19世紀にかけて活躍しました。
彼は、当時最先端だった「電池技術」を使って、非常に長寿命な電源装置を開発したんです。

「電池ってそんなに昔からあったの?」と思った人、大正解。実は1800年にヴォルタが世界初の電池(ボルタ電堆)を発明してから、世界中で“電池ブーム”が巻き起こっていたんです。

で、ザンボーニさんもそのブームに乗って開発したのが、「ザンボーニ電堆」。

● ザンボーニ電堆とは?

これは一言でいうと、「超薄型・超低電力の積層電池」です。
具体的には、以下のような材料でできています:

  • 銀箔(またはスズ)
  • 紙(もしくは布)
  • 酸化金属の層

これらをサンドイッチのように何百枚、何千枚も積み重ねて、ちょっとした電圧を発生させる仕組み。
1枚1枚は微々たる電圧ですが、重ねれば重ねるほど、電圧も上がっていく!

…って、これ、あれですね、小学生が「電池いっぱいつなげたら無限に動くんじゃ?」っていうアレとまったく同じじゃないですか(笑)

そう、ザンボーニの永久機関は、いわば「真面目にやった電池ドリーム」だったんです。

このような電池をもとにした永久機関は、電堆が最新技術だったころ、いくつか試みられました。


ザンボーニ電堆で作られたものって何があるの?

さてさて、ここまではあくまで電源部分のお話でした。

ここからは「ザンボーニ電堆って実際どんなふうに使われてたの?」という素朴な疑問にお答えしましょう!

実は、このちょっと不思議な積層電池を使って、当時の人たちはいくつかの“永久機関っぽい”装置を作っていたんです。

● その1:時計!

えっ!? 時計!? と思った方、はい、その通り!

引用:https://blog.upsbatterycenter.com/giuseppe-zamboni-and-his-perpetual-clock/

ザンボーニ電堆を使って、振動するパーツを動力源にして小型の電気時計を動かす、というアイデアもあったんです。

構造としてはこんなイメージ:

  • ザンボーニ電堆から微弱な電流を取り出す
  • それを振り子(もしくは振動体)に流す
  • 微細な動きで機械式歯車を駆動
  • 時計の針がちょっとずつ動く!

めちゃくちゃシンプルだけど、動くたびにちょっと感動しますよね。まさに「電池で動くレトロギア」って感じ。

● その2:ベル(電気ベル)

これはくわしくは後述しますが「オックスフォード・エレクトリック・ベル」が有名ですね!

ザンボーニ電堆によって、金属の小さな球体(クラッパー)が左右のベルを交互に叩くことで、絶え間なく音を鳴らす装置。
しかもそれが150年以上も動き続けているという、まさにレジェンド級の実績。

「動く=音が出る=見てて楽しい」という三拍子がそろっている、ザンボーニ電堆を使った超ロマン装置です。

ザンボーニの永久機関、実際どうなの?ずっと動くの?

さて、いくら夢が詰まっているとはいえ、現実問題として「本当に永久に動くの?」という疑問が浮かびますよね。

答えは…残念ながらNO!

● 永久機関とは言うけれど…

「永久機関」とは、外からエネルギーを供給しなくても、永遠に動き続ける理想の装置のこと。でも、これは物理法則的に存在しないとされています。

  • エネルギー保存の法則
  • 熱力学第二法則(エントロピー増大)

などの理由により、いつかは必ずエネルギーが尽きて止まる運命。

ザンボーニ電堆も、材料に含まれる化学エネルギーを使って電気を作っています。つまり、いずれは消耗してしまうんです。

● でもめちゃくちゃ長持ち!

「でもダメじゃん」と思うかもしれませんが、ここが面白いポイント!

ザンボーニ電堆は、ほんのわずかな電流しか流さないため、消耗が超スローペース。
そのおかげで、何十年、あるいは100年以上動き続けることも可能なんです。


●150年以上動いてる?オックスフォード・エレクトリック・ベル

イギリス・オックスフォード大学の展示室にあるこの装置、なんと1840年ごろから現在まで、ずーっとチリンチリンと動き続けているというのです。

構造は非常にシンプル:

  • ザンボーニ電堆と同様のが2本
  • それを挟む2つの小さな金属ベル
  • 中央に吊り下げられた金属製の振り子(クラッパー)

このクラッパーが、左右のベルを交互に叩くことで「チリン…チリン…」と動き続けている、というわけ。

このベル、150年以上も音を鳴らし続けているんですよ!? 永久機関じゃないけど、もう十分“永久感”ありますよね。

※ちなみに、動作を止めたくないという理由から、この装置のカバーは外されたことがなく、正確な構造はいまだにナゾが多いそうです。ミステリアス!


ザンボーニの永久機関が教えてくれること

さて、今回の主役「ザンボーニの永久機関」ですが、残念ながら真の永久機関ではありません

でも!

  • 「エネルギーを効率よく使う」
  • 「極限までロスを抑える」
  • 「シンプルな構造で長持ちさせる」

といった“工夫”に満ち溢れていて、技術者魂をくすぐる存在なんです。

そして何より、「できたらいいな」を本気で形にした情熱が感じられますよね!


✍️ まとめ:ザンボーニの永久機関をざっくり振り返り!

最後に、今回の内容をポップに箇条書きでまとめちゃいましょう!


✅ ザンボーニの永久機関とは、1800年代の「積層型電池」で作られた長寿命モーター装置!

✅ ジョゼフ・ザンボーニはイタリアの物理学者で、初期の電池開発者のひとり。

✅ ザンボーニ電堆は、紙や金属を何百枚も積み重ねて微弱な電流を生む装置!

✅ 科学的には「永久機関」じゃないけど、超長持ちする!

✅ 実例として「オックスフォード・エレクトリック・ベル」は、150年以上動いてるスゴ装置!

✅ ザンボーニ電堆を使って「時計」も作られた!振動を使って歯車を動かす超ロマン仕様!

✅ 子どもの夢「電池いっぱいつなげたら無限に動く?」を、大人がマジでやった結果!

✅ 科学的ロマンと、効率的なエネルギー活用の精神がつまった一品!


いかがでしたか?

「永久機関」って聞くと、一見ファンタジーっぽい響きがありますが、こうしてみると、ちゃんと技術と情熱の結晶だったりするんですね。

それではまた、次回の「永久機関ファイル」でお会いしましょう!

haccle