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永久機関File26:ダヴィンチの永久機関3つ!動かないことを知っていたのになぜ?

今回のテーマは、あの天才 レオナルド・ダ・ヴィンチと「永久機関」の関係についてです!

え?ダ・ヴィンチってモナリザの人でしょ?
そうです!でも実は彼、科学者・技術者・発明家としても超一流。
その発想力は、今でも「マジで中世?」と疑いたくなるレベル。

そして、そんな彼のスケッチには――

「え、これ…永久機関じゃん?」

という謎マシンが3つほども出てきます。

でもダ・ヴィンチ自身は、永久機関は不可能だと気づいていたんです。
じゃあなぜ、あえて描いたのか?今回はそのナゾに迫っていきましょう!


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🎨ダ・ヴィンチと永久機関:奇妙なスケッチたち

ダ・ヴィンチはその生涯で、膨大な数のスケッチやノートを残しました。
そこには絵画や人体解剖図だけでなく、さまざまな機械の設計図も!

その中に、我々“永久機関ウォッチャー”がざわつくようなものがいくつかあるんです。

「これ、勝手にずっと動き続けるじゃん!」
「あれ…?熱力学第二法則、どこ行った?」

というマシンたち。
実際に動かすと止まるんですが、見るからに永久機関っぽい。

そんな夢の装置を、ダ・ヴィンチは3種類スケッチしています!


🔁永久機関その1:ボールを使った非平衡車輪

最も有名なのがこちら。

🛞「偏心車輪型」の永久機関

これは、大きな車輪の内側にボールが通るトラック(通路)が組み込まれていて、
車輪が回転すると、ボールが「片側に偏って」集まり、重くなる。
そのため、重さの偏りで車輪が勝手に回り続けるという仕組み。

まるで知恵の輪のような見た目ですが、ロジックはこうです:

  1. 車輪に斜めのパイプを何本もつける
  2. 各パイプにボールを入れておく
  3. 回転すると、ボールが外側(てこの長い方)に移動
  4. 常に片側だけ重くなる
  5. 回り続ける!

……って、もちろんこうはなりません。

❌現実は甘くない

実際には、ボールが偏って回るのはほんの一瞬で、
すぐにエネルギーが失われて止まってしまいます。
摩擦・空気抵抗・ボールの移動エネルギー…いろいろ損失だらけ。

でもこのデザイン、今でも「永久機関といえばこれ!」というくらい有名なんですよね。


💧永久機関その2:水とアルキメデスの螺旋

次は水を使った永久機関モドキです。

💡構造はこんな感じ

  1. 上部のタンクから水が落ちる
  2. その水が水車を回す
  3. 回転する水車は、アルキメデスの螺旋(スクリュー)を回す
  4. スクリューが水をくみ上げて、また上のタンクへ
  5. 以下ループ!

…そうです、「出力を入力に戻す」型の永久機関ですね。

❌やっぱり止まる

この装置も、「水の位置エネルギー → 運動エネルギー → ポンプでくみ上げ」
という無限ループを狙っていますが、摩擦・水の抵抗・スクリューの効率の壁が立ちはだかります。

一見「いけそう」なだけに、実験して絶望した人も多かったことでしょう…。


⚙️永久機関その3:レバーと歯車の増幅装置

最後はちょっと毛色の違う機構です。

💥力を“増幅”し続ける?

これは、レバー比や歯車比をうまく組み合わせることで、
小さな力をどんどん大きくしていく
という発想。

例えるなら、

10倍のてこ → さらに10倍の歯車 → さらに10倍のカム機構 → 無限大!!

という、“物理の暴走”システムです。

❌でも現実は「増幅」の代償がある

  • レバーで力を増やす代わりに移動距離が増える
  • 歯車でトルクを増やす代わりに回転速度が下がる

つまり、トレードオフが必ずついてくるので、
全体で見ればエネルギー保存則を超えることはできません


🧠ダ・ヴィンチは永久機関が動かないと知っていた!

ここまで見ると、

「え、ダ・ヴィンチって、永久機関の夢を本気で追ってたの?」

と思ってしまうかもしれませんが…

実は彼自身、こう書いています:

「永久機関を夢見る者たちよ。どれだけむなしい幻想を抱き続けてきたことか。錬金術師の仲間入りをするがよい」

つまり彼は、永久機関は不可能であると明言していたのです!


🤔では、なぜ永久機関をスケッチしたの?

一見、自己矛盾に見える行動。

でもおそらく、「検証」のために描いたと考えられています。

つまり、

「理屈上はこう動きそうだけど、本当にいける?いや、ここでエネルギーが失われるからダメだな」

というように、頭の中の議論をビジュアル化したんですね。

彼にとってスケッチとは、
“完成図”ではなく、“思考の過程”を形にしたものだったわけです。


📝まとめ:ダ・ヴィンチの永久機関3選とその意味

最後にこの記事のポイントを箇条書きでまとめます!


✅ 本文の要約

  • ダ・ヴィンチは永久機関を3つスケッチしている
    • 1:ボールが偏る「非平衡車輪」
    • 2:水車と螺旋ポンプの循環装置
    • 3:レバーと歯車による力の増幅システム
  • しかし本人は、永久機関が不可能であることを理解していた
  • スケッチは「動かないことを確認するため」に描かれたと考えられている
  • ダ・ヴィンチにとってスケッチは思考の道具
  • 永久機関は彼にとって“夢”ではなく“問題解決のプロセス”だった!

永久機関は作れなくても、想像力は止まらない!
ダ・ヴィンチの頭の中には、きっと私たちがまだ思いつきもしない発明が、今も回り続けているのかもしれません。

haccle