\当サイトではリンク広告を利用しています。/
今回は、永久機関の歴史にまたひとつ珍妙な伝説を刻んだ「コングリーブの永久機関」について掘り下げていきますよー!
「スポンジで回る…永久機関?」「なにそのふわふわ理論ww」なんて思ったあなた。そう、今回もぶっ飛んでるんです。でも、笑いごとじゃない。実はこの発明(?)の裏には、意外なドラマと人物像が隠されているんです…!
ではさっそく、エネルギー保存則にケンカを売った(でも失敗した)夢の装置をご紹介!
まず、「コングリーブの永久機関」って何?というところから。
19世紀ごろのイギリスで、この奇想天外な装置を提案したのが、ウィリアム・コングリーブ(William Congreve)という発明家です。
生年-没年は1772年 – 1828年です。彼は貴族でもあり、ロケット兵器の発明などで知られるなかなかの有名人。
で、肝心の“永久機関”ですが…ざっくり言うと、円形のホイールにスポンジが並べられ、毛細管現象を利用して水が移動し、その重みでホイールが永遠に回り続けるというアイディアです。
はい、ピンとこないですよね。簡単に言えばこうです👇
……いや、回るわけがない!😂
ですが、この永久機関はいわゆる「水を使う系」の永久機関としてはトップレベルに有名です。なかでも、毛細管現象を使ったもののひとつです。
なぜ有名なのかといえば、ビジュアルが強烈だからですね。
「これ本当に動くの?」って思った方、大正解です。
この装置、もちろん動きません!
まず基本的な物理法則として、毛細管現象はエネルギー源ではありません。
毛細管現象は液体が細い管の中を自発的に上昇する現象ですが、それも非常に限られた条件下での微小な上昇。
重力に逆らって大量の水を吸い上げ、さらにホイールを動かすほどの力になるなんて、完全に物理法則ガン無視。
エネルギー保存則、慣性の法則、重力、摩擦…
あらゆる理系の神々が「無理」と叫んでおります。
とはいえ、当時はまだ今ほど厳密な物理法則の理解は一般的ではなかったため、「もしかしてこれイケるんじゃね?」と本気で考えていた人がいても不思議ではありません。
さて、ここで気になるのがこの装置を考えたウィリアム・コングリーブという人物。名前からしてなにか高貴な感じがしますが、実際に彼は第2代準男爵という肩書きを持つ、れっきとしたイギリスの貴族です。
が、ただの貴族じゃない!
彼の人生は発明に捧げられており、生涯で18件の特許を取得。以下がそのリストの一部です。
🧨 ロケット兵器(コングリーブ・ロケット)
→ ナポレオン戦争や1812年戦争で大活躍!
🛠 大砲の反動装置
→ 砲撃の衝撃を軽減する画期的システム。
🕓 時限信管
→ 爆発タイミングをコントロール可能に!
🪂 ロケット用パラシュート付属品
→ 落下速度を抑えるための装備。
🌊 油圧式運河閘門&水門(1813年)
→ 実際にロンドンのハムステッド・ロードで使用!
🎨 カラー印刷法(1821年、ドイツで普及)
→ 当時画期的だった多色印刷技術!
つまり、永久機関でやらかしたとはいえ、根っからのダメ人間ではなかったんです。むしろ、「無限エネルギー」を夢見る理系男子の象徴というか…ロマンを信じて突き進むその姿勢、嫌いじゃないですよね。
「そもそも、なんでこんな永久機関なんて考えるの?」
それはきっと、人類の夢だから。
・エネルギーを無限に生み出せたら?
・燃料いらずで一生動き続ける機械ができたら?
・地球にも財布にもやさしい未来が待っている?
…そんな夢のような未来を、いつの時代も誰かが追いかけてきたんです。
だからこそ、永久機関はロマンのかたまり。
でも現実は甘くない。やっぱり物理法則は偉大です。
さて、今回は「コングリーブの永久機関」というちょっと笑える、でもどこか心がほっこりする発明をご紹介しました。
永久機関シリーズって、毎回「どうしてそうなった!?」って笑っちゃうようなものばかり。でもそれがいいんです。
エネルギー効率だの物理法則だのがわからなくても、「こんな風に回ったらおもしろいな〜」って妄想するところから科学は始まるのかもしれません。