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永久機関File29:バースカラの車輪-世界最古の永久機関?!

今回は永久機関Fileとして、世界最古の永久機関を解説していきます。

その名も―

バースカラの車輪!

なんだかアニメに出てきそうな名前ですが、実際に考案されたものです。
しかもこれ、「世界で最古の永久機関」とも言われているスゴい装置なんです!


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バースカラの車輪とは?どんな仕組みの永久機関?

さて、この車輪、ただの車輪じゃない。

名前のとおり、見た目は「輪っか」。でもそのスポークの部分に秘密があるんです。
スポーク(中心から外周に向かって伸びてる棒)状の管が放射状に並んでいて、その中に液体の水銀が入ってるのです。

下の動画は、再現実験の動画です。

で、何が起きるかというと…

・水銀が片方に偏る

・車輪の片側が重くなる

・その重さで回り続ける!

というわけで、「一度回り始めたら、ずっと水銀が偏って、ずーっと回る!」
…という構想だったんですね。

これ、いわゆる非平衡車輪型の永久機関と呼ばれるスタイル。
重心の偏りを利用して、永遠に動かすって発想。なんか天才っぽいでしょ?😎

これは彼の著作である『シッダーンタ・シロマニ』に書かれている設計案とされています。

世界最古の永久機関!?バースカラの車輪の伝説

バースカラの車輪は、記録に残る最も古い永久機関のアイデアとされています。

発案されたのは12世紀、ヨーロッパでルネサンスが始まるよりも前の時代!

当時としては画期的な「自動で回り続ける装置」の発想は、のちの発明家たちに大きな影響を与えました。

重力と流体(水銀)を利用し、外部エネルギーなしで動き続けるという概念は、まさに「永久機関」という夢の原点だったのです。

もっとも、設計案だけあって、実際に制作されたという記録はないようです。

また、上の動画のように、現在に再現しようという試みもなされています。

バースカラって誰なの?

そして、発明者もご紹介しましょう。
バースカラ2世(Bhāskara II)は、12世紀インドの天才学者。
生まれは1114年、名前はサンスクリット語で「輝く者」って意味。

バースカラさん、ただの「変な機械マニア」じゃないんです。
むしろ、インド数学と天文学を語る上で絶対に外せないビッグネーム!

こんな人でした👇

  • 数学では二次方程式の解法ピタゴラスの定理の証明など、当時としては驚異のレベル。
  • 天文学では月食や日食の予測惑星直列の現象などを理論的に説明。
  • しかも!「地球は自転してる」ってことも指摘してました!ガリレオより400年も前に!!

そんな超人が作ろうとしたのが、「バースカラの車輪」です。


結局、バースカラの車輪は動くの?

はい、気になる答えはコレ👇

動きません。

残念!そして予想通り!

なぜかというと、「車輪が回転するにつれて水銀の位置も変わる」から。
回転に合わせて、水銀も動いちゃうんです。つまり、どこかでバランスが取れちゃうんですよ。

一瞬、偏ったように見えても、結局全体の重心は中心に戻ってしまう

「無限に重さの偏りが続く」という発想自体が、ちょっと甘かったんですね。
(でも、現代人の我々が知識で笑ってるだけで、当時としてはマジで革新的なアイディア!)


実は、バースカラって超天才だった件

永久機関の話だけ聞くと、「ちょっと変な人?」って思うかもしれません。
でも、先ほど少し触れた通り、彼は本物の天才です。

数学方面では…

  • 小数の概念を使って計算
  • 負の数の扱いを理論化
  • 「0で割るとどうなるか」について真剣に考察(これ、すごい)

天文学では…

  • 惑星の運行を計算
  • 月食や日食を天体の動きとして説明
  • 「地球は回っている」と提唱

どう考えても、「永久機関を信じてた単純な人」じゃないんですよね。
むしろ、「とりあえずやってみる」精神の塊だったと考えたほうがしっくりきます。

たぶんですが、バースカラ本人も「動かないなこれ…」って途中で気づいたんじゃないかなって思います。
でも、それでも記録として残したところに、科学者としての誠実さ夢追い人としてのロマンを感じます✨


まとめ:バースカラの車輪から学べること!

歴史上の「永久機関」って、今となっては非現実的なものばかり。
でも、その多くは「夢を追う力」と「挑戦する心」から生まれてるんです。

バースカラの車輪もまさにそう。
ただのトリック装置じゃなく、天才が本気で考えたアイディアだったわけです。

今の私たちが「ありえない」と思ってることも、数百年後には常識になってるかも…?
そんなワクワクを感じられる逸話でした♪


✍️この記事のまとめ(箇条書き)

  • バースカラは12世紀インドの数学者・天文学者で超天才。
  • 「バースカラの車輪」は水銀の偏りを使って永久に回るとされた装置。
  • 構造はスポーク状の管に水銀を入れた非平衡型の車輪。
  • 実際には回り続けず、重心が均衡して止まってしまう。
  • バースカラ本人は、おそらく動かないことを理解していたと考えられる。
  • 永久機関は夢物語だが、挑戦する姿勢が後世に影響を与え続けている。

ここまで読んでくれてありがとう!
「永久機関シリーズ」、他にもたくさん面白ネタあるので、気になる人は他の回もぜひチェックしてみてね✨

それではまた次回、お楽しみに〜!

haccle