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円周率πは、円にかかわる無理数として知られています。円周率はなぜ終わらないのかにかかわるのが無理数性の証明です。ここでは、π無理数であることの証明を簡単に行います。中学生でもわかるように図形的に解説します。
円周率が小数点以下が無限に続いていって、終わりがないことはよく知られています。
これはπが無理数であることが原因です。
無理数というのは、小数点以下が繰り返しのない数の羅列になります。有理数の場合は、割り切れるか繰り返しがどこかで始まります。
ここでは、厳密ではないのですが簡単に無理数であることを示してみましょう。
円周率πが無理数であることを示す場合、πが有理数であるという仮定を置いて、矛盾を解析学の知見を使って導くことで証明することが多いです。
ここでは、背理法を使うとともに作図で幾何学を使ってみます。
[1]まず、円積問題は不可能、という有名な事実を前提にします。これは円の面積と等しい大きさの正方形は作図できない、というものです。作図の三大難問として有名ですね。 [2]πが有理数であるとすると、π=a/bと整数の比率で表せます。以下ではa=7、b=2で作図していますが、整数が何であっても同じ手順で作図ができます。また、この7/2=3.5という値はπの値としてはかなりおおざっぱです。
まずは、図のように黒い長さ1の線分を並べて配置して、斜めに線を引くと、7/2が作図できます。これでπが赤い部分の長さで表現できました。
すると、πと1を直径とする円を使ってルートの作図を使うと、√πが作図できます。そのあとその長さを4つ直行させると、面積πの正方形(オレンジの正方形)ができました。
これは、半径1の円(図の青い円)と同じ面積です。
なんと、円積問題ができてしまいました。。。
これは、円積問題が不可能という事実[1]と矛盾します。つまり、πが有理数という仮定が間違っています。
よって、πは無理数と証明できます。
円周率が無理数であることの証明は、歴史的にも長く挑戦されていた問題でした。
歴史上最初に証明したのは、ヨハン・ハインリヒ・ランベルトであり、1761年のことでした。
この証明は、三角関数を使っています。単純に言うと、以下のようになります。
[1]Y=tanθは、角度θを入れると線分Yの長さを出す関数です。反対にtanの逆関数θ=arctanYは、線分の長さYを入れると角度θを出す関数です。
このarctanは、Yが有理数だとθが無理数となることが知られています。
[2]πは、tanの逆関数arctanを使って、π=4arctan1と示せることがわかっています。このときarctan1は有理数1が入力されているので、[1]より、出てくる数字は無理数とわかります。よってπは無理数と示せます。
これはのちに、厳密性としては不十分ということが判明しますが、今では厳密な証明もたくさん出てきています。
円周率 なぜ 終わらない、という検索予測があるのは面白いです。結構気になっている人が多いのでしょうか。