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こんにちは、【永久機関シリーズ】、ついに第18弾まできちゃいました!👏
今回スポットライトを当てるのは――
ロバート・フラッドの「自動粉ひき車」!
「え、誰それ? 粉ひき車って何?」というあなた、心配ご無用。
17世紀ヨーロッパの科学史に残る、とっても不思議で、ちょっと切ない発明の話です。
テーマはずばり、
水の力で自動的に粉を挽き続ける機械=永久機関を作ろうとした男の夢
そしてその結末とは…?
ロバート・フラッド(Robert Fludd)
とにかく、知識とロマンにあふれた人。
科学・数学・医学・神学・錬金術・音楽理論…あらゆるジャンルに手を出す、「ルネサンスの万能人」でした。
でも、彼の思考のベースにはいつも、
「宇宙は神の秩序で動いている。自然の力は活用できるはずだ」
という神秘思想がありました。
そんなフラッドが考案したのが、「自動で永遠に回り続ける粉ひき車」。
この構想がすごい!
つまり、水が循環し続けることで、永久的に働いてくれる装置を目指したんです。
しかも使ったのが、あのアルキメデスのスクリュー(らせんポンプ)!
アルキメデスのらせんとは:
古代ギリシャの天才アルキメデスが発明した、水を高い場所へ運ぶ装置。
円筒の中にらせん状の軸があり、回すと水が上がっていく仕組みです。
これを17世紀に応用するとは…フラッド、かなりイケてます。
さて、気になるのは「本当に動いたのか?」ですが――
答えは NO!😢
理論上は美しくても、現実では回り続けることはないのです。
興味深いのは、フラッドがこの機構について後にこう語ったという記録が残っていること。
「私は自分の計算を過信していた。
実験を経て、自然界の法則は予想以上に厳格だと気づいた。」
つまり、自らの誤算をきちんと認めているのです!
これは当時としてはかなり珍しい姿勢。
多くの“トンデモ発明家”は、自説にしがみつくものですが、フラッドはその点、誠実な理性の持ち主でもあったんですね。
ちなみに、上のロバートフラッドの永久機関の図は、1660年に描かれた木版画です。
これが永久機関を描いたものの中では歴史的に広く出版された最初の図とされています。
意外と失敗した発明として歴史的な意義があることがわかります。
フラッドの他にも、さまざまな時代に永久機関を目指した人はいます。
人類は、何もしなくても動くマシンに取りつかれてきました。
なぜか?
それは、単なる怠け心ではなく、
「自然の力を最大限に使えば、人間の苦労を減らせるのでは?」
という、技術と理想の融合を求めた夢だったからです。
ロバート・フラッドの自動粉ひき車は、動きませんでした。
でも、そこに込められたアイデアは、エネルギー循環の発想として今も通用します。
科学とは、失敗の積み重ねによって進化するもの。
フラッドの“過信”は、むしろ後世への道しるべだったのかもしれません。
最後に今回のポイントを箇条書きでまとめ!
ロバート・フラッドの物語は、「できなかった発明」ではありますが、
その発想・探求心・自己反省の姿勢は、まさに科学者の原点。
永久機関は存在しない。
けれど、“限りなく持続可能なエネルギー”を求める気持ちは、未来の技術へとつながっています。