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核融合発電webシミュレーション-反応を持続させて発電しよう

核融合発電・核融合炉のシミュレーションをブラウザ上で行い、核融合発電が進行していく様子を観測できるサイトツールです。

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核融合発電とは

核融合発電とは、軽い原子核同士を高温・高圧の環境で融合させ、巨大なエネルギーを取り出す発電方式です。

最も代表的な反応は、重水素(D)と三重水素(T)が融合してヘリウム(He)と中性子(n)を生み出す「D–T反応」です。

このとき、莫大なエネルギー(約17.6MeV)が放出されます。太陽も同様の核融合反応によって光と熱を生み出しています。

ただし、実際に反応を維持するには1億度を超える高温プラズマの安定制御が必要であり、これは現代の科学技術でも極めて難しい課題です。


核融合炉とは

核融合炉(fusion reactor)とは、人工的に核融合反応を起こし、そのエネルギーを取り出すための装置です。
内部では、電離したガス(プラズマ)が数千万度から1億度にも達し、通常の物質容器では保持できません。
そのため、核融合炉では主に以下の2つの方法でプラズマを閉じ込めます。

  1. 磁場閉じ込め方式(トカマク・ヘリカル型など)
    強力な磁場を使ってプラズマをドーナツ状(トーラス形状)に閉じ込める方法。現在、国際熱核融合実験炉「ITER」で採用されている方式です。
  2. 慣性閉じ込め方式(レーザー核融合)
    強力なレーザーや粒子ビームを微小な燃料ペレットに照射し、瞬間的に圧縮・加熱して核融合を起こす方法。主に実験室レベルで研究が進められています。

このツールで再現されているトーラス構造は、磁場閉じ込め型炉(トカマク炉)をモデルとしています。
プラズマの粒子(DやT)はトーラス内部を高速で運動し、衝突条件を満たすと融合が発生します。


ツールの使い方

このツールは、D-T核融合を簡易的に可視化した教育用シミュレーションです。
画面中央に表示されるのは、トカマク型炉を模したトーラス(ドーナツ状の空間)。その中で、粒子が運動し、条件を満たすと融合反応が発生します。

操作手順

  1. 温度スライダー:粒子の速度(温度)を調整します。高いほど反応が起きやすくなります。
  2. 密度スライダー:粒子数を増減します。密度が高いほど衝突機会が増えます。
  3. 「開始・リセット」ボタン:シミュレーションを初期化して再スタートします。
  4. 「燃料補給」ボタン:トーラス内部に新たなD粒子・T粒子を投入します。

融合が発生すると画面に「核融合発生!」と表示され、融合回数累積エネルギーがカウントアップされます。

粒子は色分けされています:

  • 🔵 重水素(D):青色
  • 🔴 三重水素(T):赤色
  • 🟠 ヘリウム(He):オレンジ色に発光
  • 中性子(n):灰色、高速で飛び出す

持続的に反応が進むように、定期的に燃料を投入してください。


現実との違い

このシミュレーションは視覚的な理解を目的とした簡易モデルであり、実際の核融合とは異なる点がいくつかあります。

  • 実際の核融合炉では、粒子運動は三次元的で、磁場による制御が極めて複雑。
  • 本物の核融合反応では、温度・圧力・閉じ込め時間の3要素(ローソン条件)がそろう必要があります。
  • このツールでは、燃料補給はボタン操作で手動ですが、現実の炉では自動的かつ連続的に燃料が注入されます。
  • 現実の反応では、中性子が炉壁を加熱し、そこから蒸気タービンで発電しますが、ツールではエネルギー値として単純にカウントしています。

そのため、本シミュレーションは物理的な正確さよりも理解のしやすさと直感的な動作を重視しています。


まとめ

  • 核融合発電は、D-T反応を利用して莫大なエネルギーを得るクリーンな発電方式。
  • 核融合炉は、高温プラズマを磁場やレーザーで閉じ込めて反応を起こす装置である。
  • このツールでは、トカマク炉を模したトーラス空間内で粒子の融合を可視化できる。
  • 温度や密度を調整して、反応頻度や粒子挙動の変化を観察可能。
  • 現実の核融合とは異なり、手動で燃料を補給し、単純化された2Dモデルで表現している。
  • 教育・デモ用途として、核融合の基本概念を楽しく理解するのに最適なツールである。

核融合発電はまだ未来の技術ですが、このツールでシミュレーションを観察することで身近に感じることができるかもしれません。

haccle