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ニュートンが万有引力の法則をひらめいたのは、「リンゴが木から落ちるのを見てひらめいた」という逸話が科学史の逸話の中でも非常に有名である。これはおおよそ真実であるとの見方が強いが、作り話という説もある。この歴史を詳しく解説した。
リンゴが落ちるのを見てひらめいた、というのはやや簡略化しすぎた要約でもあり、厳密には、
庭で考えているあいだにリンゴが木から落ちた
↓
リンゴに働いている力と、月にはたらく力は一緒なのではないかと結びつけた
↓
この過程をもとに理論を整備した
というのが正しい流れである。重要なのはむしろ途中の「天体にもはたらく力が同じ」というひらめきであり、これが偉大だったといえるのである。
1665:大学が閉鎖、リンゴが木から落ちたのを見て、万有引力の法則をひらめく
1687 :「自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア・マテマティカ)」 出版
1752 :友人スタックリー(ストゥークリ) 「アイザックニュートン卿の生涯の思い出」を出版。
スタックリーが年老いたニュートンを尋ねる。リンゴのしたでお茶をしながら話した。そのときに、ニュートンが「万有引力をひらめいた状態ににている」という話をし始め、逸話が記録された。
他にも、
マーチン・フォークス(イギリス学士院長)もニュートンから聞いている。
ヴォルテールは、姪のキャスリンバートンから、ニュートンの逸話としてきいたと述べている。
ジョン・コンディット(ニュートンの友人)も、この話を聞いている。
日本には、明治期以降にこの逸話が挿絵付きで広まった。
作り話であるという論拠としては、ライバルだったロバートフックよりさきに万有引力を閃いていたと言いたいので捏造したという説がある。実際にフックも惑星に働く引力、という発想を得ていたのは手紙などからわかっている。
しかし、フックを追い落とすためならもっと公的な研究機関で発表したと考えられるので、(ニュートンはむしろ家族や友人に話している)これは真実であると考えられる。
また、他の証拠としては、ウソであればおそらく多数の人に話すとほころびが出るとも思われるので、それぞれの逸話に矛盾がないのは信頼できる。資料も、ニュートンの生きていた時代からすでに話が出ているので、のちの作り話ではないことは言える。
・別の珍説としては、「トイレでウンチが下に落ちるのをきっかけに万有引力を思いついた」などという話もある。しかしながら、出典は不明。
・ニュートンのリンゴの木の子孫は、いまでも健在らしい。