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こんにちは。今回は、ネット上で話題になり続ける奇妙な都市伝説について取り上げたいと思います。
「マイク・マーカム」という名前を聞いたことがありますか?
彼はある時期、タイムマシンを作ろうとした人物として都市伝説界隈で注目されました。
そしてその装置の中心にあったのが、あの「ヤコブの梯子」という高電圧の装置です。
さらに不可思議なエピソードとして、「ネジが1分後に現れた」という話まで出てきます。
これは本当に「時空を超えた証拠」なのでしょうか?
それとも、よくある誤解や偶然の重なりによるものなのでしょうか?
今回はこの不思議な物語を、冷静な視点も交えて読み解いていきます。
まずは、マイク・マーカム(Mike Marcum)という人物について確認しておきましょう。
愛称としてマイク・”マッドマン”・マーカムという通り名もあります。
彼は1990年代半ば、アメリカ・ミズーリ州に住んでいたとされる独学の発明家です。
そして実際に、タイムマシンのために変圧器を盗み、停電を引き起こしたことでで逮捕された記録が存在しています。
このことから、完全なフィクションの人物というわけではなさそうです。
彼が注目されたのは、インタビューやネット掲示板で「自作のタイムマシンで小さな物体を時空移動させた」と主張したからでした。
マイクがタイムマシンの一部として使っていたとされるのが、「ヤコブの梯子」です。
ヤコブの梯子とは、2本の金属棒の間をアーク放電が上昇していく装置で、見た目は派手ですが、原理としては高電圧を使ったシンプルなものです。
このアーク放電によって、マイクは強力な電磁場が発生し、時空が歪む可能性があると考えていたようです。
しかし、ここで立ち止まって考えるべきポイントがあります。
物理学の視点から見ると、ヤコブの梯子のような装置で時空を歪めることは不可能です。
時空を歪ませるには、極端に強い重力やエネルギー密度が必要になります。
たとえばブラックホールの中心や、理論上のワームホールがこれに該当します。
ヤコブの梯子から出る電磁場は、家庭用の電力を利用した範囲内であり、せいぜい見た目にインパクトがある程度のエネルギーにすぎません。
そのため、どれほどうまく実験しても、
「時空がねじれたり、物体が未来に飛んだりする」
というのは、現実的にはまずあり得ません。
それでも話が広がった背景には、ある「事件」の存在があります。
マイク・マーカムの実験の中でも、特に有名な話があります。
それは、ヤコブの梯子の実験中に金属製のネジを消失させたというエピソードです。
彼の話によれば、
という現象があったとされています。
このことから、「ネジが1分だけ未来にワープした」という説が広まりました。
一見するととても魅力的なエピソードですが、これにも現実的な説明が存在します。
ヤコブの梯子が発生させるアーク放電は、数千度に達することがあります。
金属にとっては、一部が気化してもおかしくない高温です。
このとき、
というような、物理的な跳ね返り現象が起きた可能性があります。
しかし、実験者本人がその瞬間を見逃し、後から見つけたネジを「未来から戻ってきた」と解釈してしまったとしても、不思議ではありません。
それは「嘘」というより、「見間違い・思い込み」に近いものかもしれません。
マイク・マーカムについて語られるもう一つの興味深いポイントは、最後に姿を消したという部分です。
彼は後に、さらに大型のタイムマシン装置を開発しようとしたものの、突如として行方が分からなくなったとされています。
これが都市伝説にさらなる深みを加えることになり、
といった推測を生みました。
もちろん、記録が少ないため真相は不明ですが、「未確認のまま話が途切れている」という点が、いかにも都市伝説らしい展開になっているのです。
マイク・マーカムという人物を知っている人は、きっと彼の名前を聞くだけで少し不思議な気持ちになるのではないでしょうか。
彼が最後にメディアへ姿を現したのは、1996年。
人気ラジオ番組『アート・ベル・ショー』に2度目の出演を果たし、自作のタイムマシンについて熱心に語りました。
彼の話は真剣そのもので、当時の聴取者の間では「本当にタイムトラベルを実現するのでは?」とまでささやかれていたほどです。
しかしその翌年、1997年。
マイク・マーカムは突如、消息を絶ちます。
以降、公式な情報は一切なく、「消えた男」として都市伝説のように語られる存在となりました。
ところが2015年、にわかに注目を集める出来事が起きます。
あのアート・ベルが、今度は自身の新番組『ミッドナイト・イン・ザ・デザート』で、マイク・マーカム本人と名乗る人物にインタビューしたというのです。
このラジオの配信はこのリンク先のYouTubeで聞くことができます(長いので外部リンク)。
その“マイク”はこう語ったと言われています。
「実験中に、気がついたら約800マイル(1300km)離れたオハイオ州フェアフィールド近郊にいた。2年先の未来だった。
でも、記憶を完全に失っていて、自分の名前すら思い出せなかったんだ。」
彼はホームレスシェルターで生活しながら、徐々に自分の名前や社会保障番号、人生の断片を思い出していったそうです。
そして少しずつ社会復帰を果たした――というのが、2015年放送のインタビューで語られた内容です。
とはいえ、この話の真偽は不明。
放送当時から「声が本人と違う気がする」「誰かのいたずらでは?」という疑いの声も多数ありました。
その後、再びマーカムは沈黙します。
それ以降、彼の姿を確認したという報告も、追跡された確実な情報も存在していません。
もし1997年当時から生存していたとすれば、現在は50代半ばくらいになっているはずです。
もしかしたら、どこかで別の名前を名乗って静かに暮らしているのかもしれません。
それとも――本当に時空のどこかに行ってしまったのでしょうか?
マイク・マーカムのタイムマシン伝説は、科学的にはほとんどが否定されるものです。
しかしその一方で、「信じたくなる物語」として多くの人に語られ続けています。
それでは最後に、今回の内容を整理しておきましょう。
科学的に見れば荒唐無稽な話かもしれません。
それでも、人はこうした「もしも本当だったら…?」という可能性に惹かれます。
夢と現実の間に漂う、そんな不思議な都市伝説――。
たまにはそういう話に、少しだけ想像を膨らませてみるのも悪くないかもしれません。
それではまた、別の謎でお会いしましょう。