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マルーン5はアメリカのロックバンドであり、代表曲に『メモリーズ(Memories)』があります。これがパッヘルベルのカノンに似ているという情報があるので、楽譜を比較して検証していきます。
マルーン5の『メモリーズ』は、2019年にリリースされた楽曲で、現在では公式PVの再生数は10億回を超えています。
この楽曲に関して、歌いだしがヨハン・パッヘルベルの『パッヘルベルのカノン(Canon in D)』の有名なカノン部分に似ているという話が有名です。
コメントなどを見ても、曲はわからなくとも、なんとなく聞いたことのあるメロディという印象を持つ人も多いようです。
どうして似ているのかを楽譜を見て検証するとともに、わざと似せたのかについても見ていきます。
ここからは、カノンとメモリーズが似ているのかどうかを、楽譜やコードを用いて比較していきます。
ではまず、パッヘルベルのカノンの似ている該当部分の楽譜を見てみると、以下のようになっています。
なお似ている部分は最も有名な前半のカノンの部分であり、曲の冒頭部分ではありません。
この楽譜を前半と後半に分けて、そのそれぞれの後ろ半分を消すと以下のようになります。
この状態で多少音階などを調整すれば、マルーン5のメモリーズの歌い出しにほぼ一致します。
これが歌い出しが似ているという楽譜的な理由になっています。
また、似ている部分の持続時間も割と長いことが挙げられます。
似ている部分は歌い出し(Here’s~)から始まりますが、このあと最初の区切り(~been through.)まで10秒ほど続きます。
また、そのあとのヴァースも同じメロディが繰り返されるため、似ている部分はおよそ倍の長さ続くことになります。
もう一つの似ている理由として、コードも同じものが使われていることが似ている理由としてあげられます。
カノンでは、『B→F#→G#m→D#m』というコード進行が使われています。
これは言うまでもなく非常に有名な「カノンコード」ですね。
そして、メモリーズでも『B→F#→G#m→D#m』というコード進行が使われています。
カノンコードはほかのロックソングでも使われていますが、メモリーズでも全く同様です。
ここで気になるのが、意識してカノンに似せた作りにしたのか、という点です。
ただし、意図的にパクリをしていたとしても、パッヘルベルのカノンは17世紀に制作されたものです。
パッヘルベルは1706年に死没していることから、著作権の保護期間はかなり昔に過ぎているので、法的には本人たちが訴えられたりすることはないでしょう。
まず、バンドメンバーはどういっているのでしょうか。
これについては、メンバーたちのインタビューを探しても、特に言及は見つからなかったので不明です。
例えば英語の文献によっては、「ヨハン・パッヘルベルの「カノン ニ長調」のサンプルが含まれている」という記述がありますが、これが、本人たちの発言で分かった事柄なのか、聞いたらそうとわかる事柄なのかよくわかりません。
評論家のなかにも、もちろんカノンに似ていると気づいた人はたくさんいたようです。
中でもイブニングスタンダード紙の評論家はカノンの使用について「ひどい盗用」といっていたりします。
このような問題点もあり、メモリーズは評論家の間では賛否両論の評価ということになっています。
カノンコードは非常に膨大な曲で活用されていますが、メロディが似ているのは意外と珍しいかもしれませんね。