自然界における捕食者と被食者の個体数の変動を表すロトカ=ヴォルテラモデルのシミュレーションをウェブ上で実行し、個体数の変動を観察できるサイトツールです。
上の埋め込み内でも使えますが、うまく動かない・大きなページで使いたいというときは、元のロトカ=ヴォルテラモデルのシミュレーションページへ(新しいタブで開きます)。
ロトカ=ヴォルテラ方程式とは?
ロトカ=ヴォルテラ方程式(Lotka–Volterra equations)は、生態学や数学において有名な微分方程式の一種です。
このモデルは、主に以下の2つの集団の相互関係を扱います:
両者の個体数は、以下のように時間とともに変化します:
- 被食者は自然に増えるが、捕食されると減る
- 捕食者は被食者がいることで成長できるが、いなければ減っていく
このシミュレーションでは、これらの関係性をリアルタイムでグラフ表示しながら観察できます。
ロトカ=ヴォルテラシミュレーションツールの使い方
1. 各パラメータの調整
以下のスライダーで、それぞれの生態学的パラメータを調整できます。
- α(アルファ): 被食者の繁殖率
- β(ベータ): 捕食率(捕食者が被食者を食べる頻度)
- γ(ガンマ): 捕食者の自然死亡率
- δ(デルタ): 捕食によって捕食者が増える効率
数値を動かすと、その効果がリアルタイムにグラフへ反映されます。
2. シミュレーションの開始・停止
画面下部の「スタート」ボタンを押すと、シミュレーションが始まります。
- 被食者(🟢)と捕食者(🔴)の個体数が時間とともに変化し、折れ線グラフとして表示されます。
- 「ストップ」を押すと一時停止できます。
3. グラフの見方
- 緑の線:被食者(ウサギ)の個体数の推移
- 赤の線:捕食者(オオカミ)の個体数の推移
波のように上下する曲線から、周期的な変動(捕食・被食のサイクル)が読み取れます。
パラメータを変えた場合の観察シナリオ
このシミュレーターでは、異なるパラメータ設定によって多様な生態系の振る舞いを観察できます。以下にいくつかの典型的な例を紹介します。
🐇 ウサギ無限増殖モデル
- 設定例:
- α(被食者の繁殖率) → 高め(例: 2.0)
- β(捕食率) → 非常に小さく(例: 0.005)
- γ, δ → デフォルト
- 結果:
- 捕食者がほとんどウサギを食べられず、ウサギが指数関数的に増加します。
- オオカミの数は変わらないか、徐々に減少していきます。
🐺 オオカミが全部食べてしまう(ウサギ全滅)モデル
- 設定例:
- β(捕食率) → 高め(例: 0.08〜0.1)
- δ(捕食効率) → 高め(例: 0.08〜0.1)
- α(繁殖率) → 低め(例: 0.5)
- γ → デフォルト
- 結果:
- 捕食圧が強くなりすぎて、ウサギが絶滅。
- 一時的にオオカミが増えるが、エサが尽きて急激に絶滅します。
⚖️ ちょうどよいモデル(デフォルト)
- 初期値:
- α = 1.0
- β = 0.03
- γ = 0.5
- δ = 0.03
- 結果:
- 両者の数がバランス良く変動し、周期的な波を描いて共存する様子が観察できます。
- 生態系の安定性とダイナミクスの美しさを体験できます。
応用例・教育利用
- 生態学の授業やプレゼン資料に
- 微分方程式の具体例として
- 数理モデルの視覚的理解に
学習者が「実際に手を動かして体験」することで、より深い理解が得られる設計になっています。
ロトカ=ヴォルテラモデルシミュレーションまとめ
このツールは、ロトカ=ヴォルテラモデルの視覚的理解に最適な教育ツールです。
- 捕食者と被食者の個体数変動をリアルタイムにグラフ表示
- 4つのパラメータ(α, β, γ, δ)をスライダーで調整可能
- スタート/ストップで自由にシミュレーション制御
- 緑線=被食者、赤線=捕食者
- 生態学・数学教育に応用可能
自然界がわれわれの想像よりも絶妙なバランスで成り立っていることがわかると思います。