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日本地図には、いわゆるレイラインといわれる線が引けることが有名です。ですが、これをメルカトル図法の地図ではなく、実際の地球儀で確認してみるとどうなるでしょうか?ここでは、レイラインを地球儀で見た結果を解説していきます。
レイラインとは、地図上で遺跡などの位置を線で結ぶと、重要な遺跡が一直線に並んでいるという状態を指して言う言葉です。
この線のことをレイライン(ley line)と言います。また、この線は神聖なものとされ、パワースポット的な扱いをされることもあります。
しかし、地図はメルカトル図法のものが使われていますが、実際は地球は球体です。そそいて、球体を平面に投影する際には実際とのずれが生じるというのはよく知られています。
ここでは、地球儀としてGoogle Earthをつかって日本や世界の地図上のレイラインが一直線上に並んでいるのかどうかを確認して行きます。
地球儀上での直線は、球体の中心を含む円の円周上、つまり大円の上という風に考えます。
ここでは、有名な「出雲大社~富士山の山頂~鹿島神宮」のラインを見てみます。
すると、図のように微妙にずれていることがわかります。
メルカトル図法上では斜めの直線に見えても、地球儀の上に置くと平面を球面にする際のずれが生じるので、大円上にはならないということが言えそうです。
このずれ方だと、レイラインの太さを極端に太くしないと、3点をカバーする直線にはならなさそうです。
世界地図にすると、当然ですがずれはもっと大きくなります。
アイルランドから、イギリス、フランス、イタリア、ギリシャを経由して、果てはイスラエルにまで並ぶ遺跡の線、「聖ミカエルのレイライン」は世界地図上のレイラインとして有名です。
下のように、7つの聖ミカエルに関する遺跡が一直線上に並ぶというものです。
ですが、地球儀上では、結構ずれてしまいます。
この長さだと、レイラインを形作るのは難しそうです。
レイラインに関するもう一つの問題として、ランダムな点でも直線に太さを与えれば、3点以上が意外と一直線上に並びやすい、という数学的な事実が知られています。
したがって、レイラインも適当な地図の上で意図的に探そうと思えば案外簡単に作り出せるということが言えます。
レイラインに関しては、以下のような問題点も上げることができます。
レイラインは、英語で書くと「ley line」と書くのが正確な表記です。
このleyとは、古代の言葉で丘や礼拝堂などを結んだ道という意味であり、文字通りレイラインの意味そのままです。(ほかには牧草地といった意味もあります。)
日本語のカタカナではレイの語感から「ray」、つまり光線や太陽光と同一視する見方もありますが、これはカタカナが一致しただけなので、光の道や太陽の道といった意味は本来はありません。
レイラインの根拠にされる地図では、メルカトル図法の地図が使われています。
このメルカトル図法が発明されたのは、メルカトルが存命していた時代の1560年代ということになります。
したがって、それ以前に作られた遺跡などがメルカトル図法の上で並ぶように作るというのは考えにくいでしょう。
並べるとするならば、同じ緯度を使うなどのほうがやりやすく、そうであればメルカトル図法の上では緯度と経度は平行線になるので、一直線に並んで投影されるということはあり得ます。
上で見たように、レイラインは地球儀上の大円では並ばないということがわかります。
しかし、古代の技術でも、同じ北緯などにランドマークを作ることなら、あるていど高い精度で実現することは可能です。北緯の場合は、大円ではなく地球を輪切りにした円になるので地球儀上では大円にはならないでしょう。
なぜかというと、天体観測の知識と簡単な測定機器があれば、自分のいる位置を割り出したり緯度や経度を計測することは可能だからです。
実際に中世の船乗りたちは簡単な道具で自分たちのいる位置をつかんでいました。
これをレイラインに応用すると、例えば北緯32度34分には近畿地方の遺跡が並んでいるという事実が知られています。
これは北緯を知ったうえで意図的に並ばせたいのであれば、昔の測定技術でもできたかもしれません。
ほかの地図の投影法でもレイラインを見てみると面白いかもしれませんね。