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有名な都市伝説、お呼びに交霊術、占いの一種であるこっくりさんですが、過去には禁止令も出たことがありました。ここでは、こっくりさんによって起こった事件をまとめます。また、なぜコインが動くのかの仮説も紹介します。
こっくりさんは明治時代からあるものです。それがブームになったのは1970年代、オカルトブームの影響のようです。
当時からこっくりさんをやったあとで不思議な現象にみまわれた、狐がついたようなってしまった、という話は多くあります。
1973年、群馬県の中学校において、こっくりさんを行っていた女子生徒たち数人が集団パニックを起こしたという記録があります。
1989年には、福岡の中学校で、授業中に生徒が友人らとこっくりさんをしていたところ、集団放心状態になり、その授業が中断されたという記録もあります。
また最近でも、ペルーでは80人にも及ぶ生徒たちの集団ヒステリーが発生した事例があり、このヒステリーが起こる前に生徒たちがこっくりさんに似た交霊術(おそらくは西洋のウィジャボードの一種と思われる)をしていたという情報も伝えられています。
こっくりさん禁止令が出たという情報のうち代表的なものは、先に述べた1970年代以降の事例が当てはまります。この事件の後、その学校ではこっくりさんは禁止になったと予想されます。
ほかにもこっくりさんの後に取りつかれたようになり学校から救急車で運ばれたという事例が起こるなどしました。
そして学校、教育委員会の判断として、相次いでこっくりさんが禁止されたという情報はありますので、小さいものも含めれば当時全国的に禁止令が出ていた、あるいは注意されたことは想像に難くありません。
2005年には、日本でこっくりさんに関する逮捕事例がありました。
数名の少女たちが偽の通報で警察を交番から出し、そのすきに交番のポスターをはがして、窃盗で逮捕されました。
逮捕時、少女たちは近くの駐車場でこっくりさんをしていました。ポスターを盗んだ理由は「こっくりさんをするのに大きな紙が必要だったから」、と答えたそうです。
これは何というか、どうしてそのような行動を起こしたのか、不可解です。
戦争時にも、こっくりさんは登場で、戦地で占いとして行われたという記録が残っています。
戦時中に行われた占いで、戦争の勝敗を占うと、こっくりさんは「昭和23年、日本の大勝利におわる」と答えたというものです。
しかし実際には敗戦を迎えたので、その理由を戦後再び呼び出して質問すると、「原子爆弾に驚いた」と返答した、ということです。
また、もう一つの例では、戦地にてこっくりさんを行い、勝敗を占うと、「マケル、ライネン七月」と答えたという記録があります。
こちらは若干ずれていますが夏に終戦を迎えたという意味では近いです。
こっくりさんが動く理由は、いくつかの仮説があります。
ちょっと動いた程度ならこの説で説明がつきます。
たとえば、摩擦に打ち勝ってコインを動かすのに必要な力が1だったとすると、数人が角度を大きく開いた状態で動かすにはその数分の一でもよいです。
なぜなら、力の合成により摩擦に打ち勝つには十分な力がかかるからです。
また、合力の方向は自分が力をかけている方向とは異なる場合が多いでしょう。
上の図では一人で動かす場合と、二人の合力で動かす場合の模式図です。
これが予想外の動きをしたと感じる原因だと考えられます。
人間は自分がしようとしている行為が無意識に行動に出ることが確認されています。こっくりさんもこの応用とも考えられます。
最近のアイトラッカー(視線追跡装置)を使った研究では、参加者たちの視線が指を乗せた木片の動きに先行して動く、ということが明らかにされ、視線を動かしたからその方向に体が動く、というのが一つの要因とわかりました。
このような交霊術はこれからも形を変えて行われていくのかもしれません。