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火山の噴火予測は、地震の予測と似ている部分が多い。両者とも、被害が大きくでる災害であることはもちろん、地中の変動を観測する。その歴史をまとめた。
紀元前:火山の研究がはじまる。プリニウスがヴェスヴィオス火山の噴火に巻き込まれて命を落としたことは有名だが、このとき調査していた。
その後も、世界各地で火山の観察や研究が発展した。
日本でも、富士山噴火など大きなものは古来から記録が残っている。前兆の言い伝えなどが伝わっているが、基本的には、噴火してから逃げるほかはなかった。
以下、日本の研究に着目した年表である。
20世紀:地震計の全国的な観測網の設営
火山の噴火の直前の異常な自然の変動に関する知見が集まる。
コンピュータによる噴火のシミュレーションの開発や発展
21世紀:宇宙線のミューオンなどが火山のなかを通ったあと、それをキャッチしてレントゲンのように火山の中を見通す技術が開発される。
噴火予測は、すでに成功した事例がいくつか存在している。
この理由としては、前兆となる現象が比較的はっきりしていること、それらが噴火の直前に集中して起こることなどが原因である。また、マグマの様子を観測できることも大きい。
2000年3月31:北海道、有珠山の噴火・数日前から前兆現象をとらえることに成功しており、あわせて住民への避難行動が開始された。結果として、犠牲者なしで災害を乗り切った。
2015年5月29:鹿児島、口永良部島噴火・こちらも前兆現象をとらえ、数日前から住民に説明会を開くなどして避難行動につとめた。
2014年9月27:御嶽山噴火、こちらは予測ができず。被害者がでてしまった。
2017年:事前の説明などが不十分であったとして、被害を受けた住民が国家賠償法にもとづく訴訟をおこしている。
原因としては、水蒸気爆発の場合は予測が難しいことがあげられている。これは前兆が分かりにくいことと、火山の内部できっかけがおこるため、観測が難しいということである。
火山の噴火予測では、噴火ももちろんだがいつ火山が落ち着くかという収束の予測が難しいといわれている。
コンピュータを使った研究も、収束の予測に関してはまだ発展段階である。
これにはスーパーコンピュータなどを駆使した解析手法などが期待される。