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こんにちは、今回は、あの有名企画「ヒルベルトの23の問題全部解説するまで帰れま23」シリーズ第15回目✨
テーマは……
\じゃじゃーん/
第15回:シューベルトの数え上げ計算と第12の問題!
「えっ、シューベルトって作曲家の?」って思ったそこのあなた、そう、名前は似てますが、全然別人です(笑)
でも数学史の中でもなかなかドラマチックで、ちょっと物理にも飛び火しちゃうロマン満載の話題なんです。
ということで、今回はちょっとポップに、だけど本格的に、シューベルトの数え上げ計算とヒルベルトの第12の問題について掘っていきますよ〜!
まず「シューベルト」と聞いて、「魔王〜!」って言いたくなる音楽ファンの気持ちはわかります(笑)。
でも今回の主役はヘルマン・シューベルト(Hermann Schubert)という、19世紀ドイツの数学者さんです🎓
彼は「数え上げ幾何学(enumerative geometry)」という分野のパイオニア。
簡単に言えば、「ある条件を満たす図形って、いくつあるの?」という問いに、数式で答えるというジャンルです。
たとえば、
「3次元空間内で、4本の与えられた直線すべてに交わる直線は、いくつ存在するか?」
みたいな問い。
これ、普通の感覚だと「え?そんなのあるの?」って思っちゃいますが、シューベルトはそういう問いに挑んだ人です。
めちゃざっくり言うと、
というもの。
現代では代数幾何学の一部門としてかなり洗練されてるんですが、シューベルトが活躍した1800年代はまだまだ「理論化の途上」。
実は彼の手法、けっこう直感頼りで、論理的に甘い部分もあったんです。
だけど、その「直感ベースの手法」がなかなか当たる!ってことで、彼のアイデアはのちのち「シューベルト・カリキュラス」として知られるようになります✨
さて、ここであのヒルベルト先生が登場。
数学界のレジェンド、ダフィット・ヒルベルトが1900年に掲げた「20世紀の数学が解くべき23の問題」。
そのうちの第15の問題がこれ:
「シューベルトの数え上げ幾何学を、厳密に、論理的に基礎づけよ!」
つまり、シューベルトの直感ゴリ押しだった数え上げ法を、ちゃんと論理で説明できるようにしてくれ!ってお願い。
ヒルベルトはシューベルトの成果をとても高く評価していて、「彼の方法は素晴らしいけど、もっと厳密にしておこうね?」という課題を数学界に投げかけたわけです。
この問題、実はかなり長い間「未解決」扱いでした。
なぜって、数え上げ幾何学を厳密に定義することそのものがめっちゃ難しかったから。
何が難しいって、条件に一致する図形の数を「ちゃんと定義して数える」っていうのが、想像以上に奥深いんです。
で、20世紀後半になると、代数幾何の発展とともに、この問題に新しい風が吹きます。
2000年代に入って、Haibao DuanさんとXuezhi Zhaoさんという中国の数学者コンビがこの問題に立ち向かいました。
彼らは、シューベルトの理論をトポロジーと代数幾何学の言語で厳密に説明しなおす、というアプローチを取りました。
つまり、「シューベルトが数えた『答え』は正しかったよ!しかも、こういう理由でね!」と証明してくれたわけです👏
ただし!完全に全ケースを解決したわけではないので、あくまで「部分的に解決された」という位置づけです。
でもそれでもすごい進歩!
ここで面白いのが、「数え上げ幾何学」、なんと現代物理学の最前線に絡んでくるんです。
特に話題になるのが弦理論(String Theory)との接続。
「ミラー対称性(Mirror Symmetry)」という概念が登場し、数え上げ幾何学のアイデアがバチバチに使われてるんですよ!
例えば、ミラー対称性では、
「複雑な幾何構造をもつ空間(カラビ-ヤウ多様体)の中に、何本のある種の曲線が存在するか?」
みたいな問いが出てきます。
これ、まさに数え上げ幾何学の出番!
つまり、シューベルトが19世紀に思いついた「直線の数え方」が、21世紀の物理学者たちの武器になっているという、胸熱な展開なのです。
さてさて、今回はシューベルトの数え上げ計算とヒルベルトの第15の問題について見てきました。
ざっくり言えば、
という感じ!
次回はまた別のヒルベルト問題に迫りますので、引き続き「帰れま23」シリーズをお楽しみに〜!
読んでくださってありがとう!
このシリーズが「難しそうだけどちょっと面白いかも?」と思ってもらえたらうれしいです😊
次回は……ヒルベルト第16問!?またお会いしましょう!