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犯罪学は犯罪の原因を探る学問であるが、その過程で源田までさまざまな理論が提案されてきた。この記事では、犯罪学にて提案されてきた理論を時系列で紹介し、内容について解説する。また、犯罪学をリードしてきた国はアメリカであり、以下は主にアメリカに焦点を当てている。ゆえに、アメリカの社会状況に密接に影響をうけている。
1700年代半ばから終わりにかけて構築された。それまでの宗教的な考えを排除した。犯罪者は理性によって結果の損得を考え行動を選択している、とした。
罰は公平に適用され、抑止力として使えばよい、という考え方をしていた。
1800年代に起こった考え方。科学の方法を犯罪の研究にも使うというアプローチ。チェーザレ・ロンブローゾによって創始された。この功績により、ロンブローゾは「現代犯罪学の祖」と評価されている。科学的な検証方法を犯罪にも適用し、犯罪を引き起こす因子を特定しようとした。
また、この時代には医学の進歩やダーウィニズムの影響で、犯罪者には生物学的な特徴があり、生まれながらに決まっているという主張があった。
なお、豆知識ではあるがロンブロソはベッカリーアの百年後に同じ大学を卒業している。
1930年代に起こった犯罪学。犯罪の原因は個人ではなく、社会の環境にあるという考え方。おもな流派にはシカゴ学派などがあった。
この時期はアメリカの都市部が発展する時代とかぶっており、都市に着目することが多かった。
この考えは形を変えながらも数十年は主な理論として君臨していたので、主流は犯罪学と呼ばれる。
1960年代から70年代に起こった理論。ウォーターゲート事件などにより権力に対する批判が多くおこったことから影響を受けている。犯罪が減少しない理由は社会環境にあるのではなく、刑事司法制度によって減少させようとすること自体に問題があるという考え方。
また、ジェンダー論などとの結びつきがおこった。
1980年代ころにおこった理論。批判犯罪学の反動として考え出された側面があり、対応として過酷な制裁(おもに、広範囲な投獄)が必要だとした。
また、それまでの犯罪学が犯罪者ばかりに焦点があたっているので、その犯罪をする機会にも着目するべきと考えた。監視カメラの設置などはこの理論に依っている。
現代の犯罪学の理論は、基本的に新旧の混合である。犯罪学は理論の流行り廃りはあるが、部分的にそれまでのアプローチがすこし残っている、という形で発展してきた。
遺伝子研究によって遺伝的要因をさぐる、というのは実証主義の影響であり、環境要因をさぐる、というのは主流派犯罪学の影響である、というような形でそれぞれのこっている。
また、ライフコース(発達犯罪学)という考え方が提案された。これは刑罰による抑止ではなく、早期の介入によって犯罪を事前に防ごうとするという試みである。