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永久機関Fileの時間がやってまいりました!
今回の「永久機関File」は、時計界のミステリー&レジェンド級の存在をご紹介します。
その名も…
ビバリークロック(Beverly Clock)!
なんとこの時計、1864年に動き始めてから一度もゼンマイを巻かれていないのに、今もなお動いているという超ロマンあふれる逸品。
そんなこと…ありえるの!?と思ったあなた、今回も科学とちょっぴり夢を交えて、ビバリークロックの秘密を紐解いていきましょう!
動いている様子は以下の動画などで確認できます。
これだけ聞くと、「いやいや、それもう永久機関じゃん!?ズルい!」って思いますよね。でも安心してください。ズルじゃありません。
この時計は、ちゃんとした自然のエネルギー源を使って動いているんです。
ビバリークロックは、いわゆる「永久時計」の一種として19世紀に制作されました。
そもそも「永久機関」とは、「外部からエネルギーを一切受けずに、無限に動き続ける装置」のこと。
でもビバリークロックは、ちょっとだけ違います。
実際には「自然からのエネルギーを少しだけもらって、ほぼノーメンテで150年以上動き続けている」んです。
そのエネルギーとは……
ビバリークロックのしくみは、ちょっとした理科の実験レベルで説明できちゃいます。
この時計には、約28リットルの密閉された空気の入った箱が組み込まれています(1立方フィート)。
毎日の気温の変化によって、箱の中の空気はわずかに膨張・収縮を繰り返します。
この変化によって、ダイヤフラム(膜のような部品)が押されて、おもりを持ち上げるための小さなエネルギーが生まれるんです!
具体的には…
🌡️ 気温が1日で6°F(3.3°C)変化するだけで、
⚖️ 1ポンド(約450g)のおもりを1インチ(約2.5cm)持ち上げられる圧力が発生!
💡 これは13mJ(ミリジュール)、もしくは約3.6μWh(マイクロワット時)程度のエネルギー。
なんと、これだけで時計を1日動かすには十分なんです!
エネルギーの供給源は【気温】と【大気圧】の変化。つまり…
自然界に毎日無料で提供されている、微々たるけど確実な力!
ダイヤフラムでの巻き上げは、以下のような仕組みです。
ここまでは簡単ですよね。
ここからが工夫の見せ所!
「150年間一度も巻き上げてない」=「止まってない」
…ではありません!
つまり、ゼンマイの巻き直しはしていないけど、物理的に停止した瞬間は何度かあるということ。
そして面白いのは、
🌡️ 環境がもとに戻ると、時計は自動的にまた動き始める!
これぞ“半分天然、半分人工の自己再起動装置”って感じでロマンですよね。
理論上、「気温さえ変われば永久に動く」とされるビバリークロック。
ですが、どんなメカでも避けられない敵がいます。
それは…
物理的な摩耗、潤滑油の劣化、パーツの経年劣化!
とくに歯車や軸などの部品は、150年も動いていればいくらかの摩耗が起きますし、潤滑油も揮発や酸化を免れません。
つまり、ビバリークロックが止まるとしたら、「原理」ではなく「素材」が限界を迎えたときなのです。
なんだか哲学的ですね。
時間を刻む装置が、時間に負けて止まる日が来るかもしれないなんて…。
…気温が変わる部屋じゃないと動かないので、
エアコンガンガンの無窓部屋には不向きです!(笑)
でも、これを応用すれば、
以上、永久機関File22:ビバリークロックでした!
次回のFile23も、摩訶不思議な“永遠を目指す”機械たちをご紹介予定です!