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「阿Q正伝」は魯迅の代表作の小説である。この登場人物である阿Qのモデルについては、いろいろな考察がなされている。これについて解説し、さらに考察する。
阿Q正伝は、新聞に掲載された。その読者からすでに、阿Qが誰なのかという議論が出ていたようである。読者の中には、自分が阿Qなのではないかという風に考えた人もいたそうである。
これは小説の登場人物と自分を重ね合わせるあまりに、モデルが自分なのではないかと錯覚する、という現象なのではないかと思われる。
Qと読む漢字で人名に使われるものがあれば、実在の人物でモデルが誰なのか知る手がかりになる。そのような漢字は実際にあり、Queiと読む漢字として「桂」あるいは「貴」の字が該当する。
この二文字が入っている人物がいればその人がモデルということになるという可能性が出てくるが、魯迅の周りの人物は留学時代の日本人を含めてもこの二文字が入っている人物はいなかったようである。よって、周辺の人物がモデルということでもなさそうである。
なお、魯迅(アルファベットではLuXun)はペンネームであり、本名は周樹人という名前である。したがって、Qという字は使われておらず、本人がモデルということでもなさそうである。
魯迅は、精神的に傲慢であることやいきすぎた封建主義など、当時の多くの中国人の性格における多くの問題を反映するために阿Qという人物を創造したということを語っているようである。
映画化もされている。このときに阿Qを演じたのは严顺开(ヤン・シュンカイ)という俳優である。この俳優は1981年にこの映画で主演したので、すでに魯迅はなくなっている。したがって映画製作者が創造したモデルということになるが、見た目は確かにいかにも阿Qというおもむきである。
ヤン・シュンカイはその後、最優秀俳優賞を受賞するなど活躍した。
魯迅が生まれたときの国であった清は、アルファベット表示で「qīng」という表記になり、頭文字はなんとQになるのである。
ここからできる考察として、阿Qというのは当時の清王朝を示しているのでは、と考えることができる。つまり、実際には敗北している局面が多いのだがプライドがたかく省みることができない。そのせい学んでいくことができず、結局辛亥革命で王朝が滅んでしまった、ということを魯迅は言いたかったのではないか、と見ることができる。
正式な国の名前は「大 清」と表記し、これはアルファベットで「Dà qīng」とかき、カタカナ読みにすると「ダァ チン」という風になる。