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四色問題は平面幾何やグラフ理論の面白い問題であるが、これを立体にしたらどうなるか、というのも実は考案されている。しかし、あまり問題にはされない。その理由を詳しく解説する。
立体版は、意外にも平面のオリジナルの四色問題が提出されたのと同じ時期に考案されている。このときすでに、立体では無限の色が必要であることも簡単に示されている。
当時の証明はやわらかい紐ロープや藁のようなものでつぎのように示す方法だった。
ロープをたゆませながら複数本をそれぞれ接するように、編みこむように置いていくと、無限の色が必要な立体の地図が完成する。
ほかにも、現在では参考書などで無限の色が必要だと示すには、以下のような積み木で説明されることが多い。
これは、直角に交差させた細長い積み木を張り合わせたものを考え、これをひとつの国とする。
これを無限の個数接するように組み合わせると、国の数だけ色が必要である。
もう少し条件をくわえて、用意に反例が見つからないような問題にはできないか解説する。
上の反例は、すべて非凸な立体をつかっている。この非凸というのはわかりやすくいえば凹んだ部分があるということで、逆に正多面体のような凹んでいないのを凸という。
だが、四色問題の場合、凸な立体のみの地図を考えても無限の色が必要ということがわかっており、これも平面の四色問題のようなぐあいにはならない。
立体を凸のみならず球に近いような図形のみで考えれば、四色問題のような限定的な個数の色で塗れるかという、意味のある問題になることがわかっている。
確かに空間の充填を色分けすると、有限の色で良さそうである。正多面体の組み合わせで空間の地図を作れば、2色あればよさそうである。
しかし、球に近いという条件があまり簡潔ではないこともあり、四色問題の立体版は条件をかなりいじらないとよい問題にならないので、今日でも考察されないのが実情である。