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ノーベル賞発表の週ということで、日本人や日本にゆかりのある研究者を中心に、その業績や生い立ちを解説していきます。この記事では、物理学賞を受賞したキャロリン・ベルトッツィ氏、モーテン・メルダル氏、バリー・シャープレス氏について解説します。ベルトッツィ氏は女性研究者の受賞であると同時に、シャープレス氏は2度目の受賞でもあり、その意味でも注目です。
キャロリン・ベルトッツィ氏は1966年生まれのアメリカ、マサチューセッツ出身の研究者です。ベルトッツィ氏は女性の受賞者ということになります。
モーテン・メルダル氏は1954年のデンマーク出身の研究者です。
バリー・シャープレス氏は1941年生まれのアメリカ、フィラデルフィア生まれの研究者です。
ノーベル賞受賞の理由となる業績は、次のようなものです。
「クリックケミストリーと生体直交化学の開発」に対して
クリックケミストリーはガンの治療にも役立てられている分野です。
このノーベル賞を受賞した業績をわかりやすくいうと、次のようになります。
ベルトッツィ氏は、受賞理由である「生体直交化学」の用語を作り出したことで有名です。
研究を進めていくうえで、彼女はウイルスが体内の糖に結合できることを発見しました。この発見により、彼女は現在の研究分野のキャリアをスタートしました。
また、研究と並行しつつ、バイオテクノロジーのスタートアップ企業を共同設立するなど実用化に関する活動も盛んに行っています。
例えば2008年には研究を生かし、たんぱく質の上に特定の薬を結合させることでがん治療に役に立つ技術のスタートアップを設立しています。これが受賞理由になったものと最も近いかも知れません。
ちなみに、ベルトッツィ氏はロックバンドで演奏することが趣味だったということもあり、大学時代はいくつかのバンドで演奏をしていたそうです。
なかでも、のちにレイジアゲインストザマシーンのギタリストとなるトム・モレロと同じバンドにいた時期もあったようです。意外なつながりですね。
モーテン・メルダル氏の研究も上記のものと似ています。
当初は、オリゴ糖の化学合成に関する研究をしていたようで、医学に関する研究はのちになってからです。
キャリアの初めのほうでペプチド合成のためのいくつかの技術的手法と機器を開発しました。これが、のちのがん治療研究に役に立つことになります。
彼は、ガンに関連するムチンに対する免疫応答に使用される糖ペプチド合成のための化学技術を開発しました。
バリー・シャープレス氏の研究は「クリックケミストリー」という単語を作ったことで有名です。これは1998年のことでした。この単語は受賞理由にも含まれていますね。
研究の大半は触媒や合成に関することで、不斉合成といわれている分野での基本的な手法を確立したことで知られています。
なお、九州大学で特別栄誉教授をしていることから、日本とも関係が深いといえそうです。また、理研の野依教授とも親しい人物です。(後述)
バリー・シャープレス氏は、人類史上5人目の、障害で2つのノーベル賞を受賞した人物となりました。
二度目のノーベル賞を受賞した人物についてはこちらで解説しています↓
バリー・シャープレス氏は、2001年にもノーベル賞を受賞しています。受賞理由は「キラル触媒による不斉反応に関する研究」となっています。これは、日本の野依良治氏も活躍していた分野であり、同じ年に受賞しています。
野依氏は1970年まで、ハーバード大学博士研究員としてイライアス・コーリーの研究室で研究を行っており、このときにノーベル化学賞共同受賞者となるバリー・シャープレスとの交流はこの時に始まっています。
実に50年の付き合いということになりますね。
キャロリン・ベルトッツィ氏、モーテン・メルダル氏、バリー・シャープレス氏に心よりお祝い申し上げます。今後もがん治療の分野で活躍してほしいですね。