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2022年のノーベル賞の平和賞が授与されました。今年は、ベラルーシの活動家であるビャリャツキ氏、ウクライナ人権団体の「市民自由センター」、ロシアの人権団体の「メモリアル」に授与されました。日本とのつながりはあまり見られませんが、ここでは歴史を解説します。
ノーベル賞平和賞2022年は一人の人物と二つの団体に授与されました。それぞれ、ロシアと周辺の国々に関係のある人物・団体です。
アレシ・ビャリャツキ氏は、1962年生まれのベラルーシの活動家です。
当然、生まれたころはソビエト連邦の内部ということになります。彼はその後、民主活動家としてのキャリアを歩むことになります。
特に、べラルーシのソビエト連邦からの離脱および民主国家の形成を促進することを目的とした「独立」と呼ばれるグループをはじめとして、いくつかの民主化運動に所属することになります。
2011年にビャリャツキ氏は脱税の疑いで逮捕されています。しかしこれは実際には、政治的な要因によって政治犯として逮捕されたと解釈されています。
これを受けて、人権団体から釈放を要求されているほか、今回のノーベル賞委員会からも釈放ののちのオスロでの受賞を望まれています。
市民自由センターの設立は、2007年の5月のウクライナにさかのぼります。現在では、オレクサンドラ・マトイチュク氏が代表を務めています。
実績としては、政府の汚職の監視、弾圧の被害者の救済活動、直近のロシア軍の戦争犯罪の記録などがあげられます。
メモリアルは、1990年代に設立された、女性が中心の人権団体です。
実績としては、1930年代のスターリンによる大粛清で死亡した何百万人もの証拠を収集、記録する活動を出発点として、チェチェン紛争のときの人権侵害の告発、政治犯の解放の要求、などがあげられます。
その後、ロシアの最高裁判所にて解散を命じられています。
ロシアとウクライナに関係のある団体と個人が選ばれたことは、非常にタイムリーな人選といってよいでしょう。
ノーベル平和賞にはその時のノルウェー側の政治的な主張が反映されることもあるとされていますが、今回はロシアがウクライナに軍事侵攻をしたことに対する抗議的な意味が込められた人選と解釈することも可能でしょう。
ビャリャツキ氏/「市民自由センター」/「メモリアル」の受賞をお祝い申し上げます。