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スライドパズルは、かつてたくさんのゲーマーを熱中させた「解けない配置」が存在します。ここではその配置を持つパズルについて解説していきます。このパズルはブラウザ上でできますので、本当にできないパターンであることを確認することができます。
スライドパズルの解けない配置は、図のように4×4のスライドパズルに番号を振り、その中で14と15のマスだけを入れ替えたものです。
問題としてはこの状態からスライドしていって、14と15の並びを正しい順にする、つまり、左上から番号順にできますか、というものです。
この配置は、どんなにパズルのうまい人でも完成させることはできません。
このパズルがなぜできないパターンなのかは、数学的に説明できます。そしてその論理も、そこまで難しくはありません。
まず、ただしい番号順の並びを考えます。空白のマスは便宜的に16とします。
すると、スライドするという行為は、番号を一度交換する作業ととらえることができます。
例えば、15と16を交換すると、1度交換されています。ここから順序をただすには、もう一度逆に交換するとできます。
こうすると、交換する数は2回、つまり偶数回の操作が必要になります。
これはどのようにばらけさせた時も同じで、ばらけたものを元通りにするには、ばらした数×2、偶数回の操作が常に必要なのです。
できない配置の場合は、最初から入れ替えが一度行われている、つまり奇数回なので、ここから偶数回の動作を加えても、元通りの配置にはならないということになります。
この解けないない配置は、ブラウザで遊べます。
このページでパズルを開くと、下部に「parity」と書かれているボタンがあります。このパリティは入れ替えが行われている回数のことで、配置をリセットするたびランダムで変わります。
これを押して、メッセージが「even(偶数)」であれば、そのパズルは解くことができます。
うまく入れ替えると完成します。
逆に「odd」であれば、解くことができないので14と15が入れ替わった配置にしかなりません。
うまく入れ替えても、どうしても最後の二つは逆のままです。
この解けない配置は19世紀の末ごろに実際に商品化され、完成させることができた人に懸賞金1000ドルが与えられると発表されたことで、一躍有名になりました。
仕掛け人はパズル作者のサム・ロイドという人物でした。
もちろん、ロイド自身は上のロジックから絶対に解くことができないことを知っていたので、懸賞金はただのエサ、ということになります。
この14-15パズルは、懸賞金がかかっていることもあるのか、19世紀の末ごろに熱中する人が続出しました。
しかし上でも解説したとおり、絶対に完成することはありません。
にもかかわらず、「解くことができた」と報告してくる人が一定数いたようです。ですが、懸賞金を得るにはその過程を再現をしなければなりませんでした。
当然ながら、再現できた人は一人もおらず、したがって懸賞金は誰も手にすることができませんでした。
サムロイドはなかなか策士だと思います。